知っている方も多いだろうが、私の溺愛する妹は看護師である。
つい先日、草むしり中に突如現れた毒蛇に腕を噛まれてしまったという男性の患者さんが運ばれてきたそうなのだが、妹はその腕を見て驚愕したそうだ。
紫色に染まった患部、そして腕は元々の太さの3倍と言っても過言ではないほどに腫れ上がり、なんとも痛々しい姿だったと恐ろしい顔で私に語った。
そんな大人の男性をも数分で苦しめ、救急搬送させるほどの強さを持つ蛇。普通ならばむやみに触れたりしないはずだ。しかし、その男性が噛まれた理由はとてもシンプルであった。
「小さかったから。」
聞くところによると、蛇の細さは小指ほどしかなく、つまんでどこかへ移動させようと思ったところを襲われたらしい。どんな蛇の種類だったのかまでは分からないそうだが、マムシやハブなどの毒蛇であれば大変危険な行為であるのは容易く想像できるだろう。たとえそれが小さな幼蛇だったとしてもだ。
その男性ももし、赤ちゃんの蛇だろうと蛇は毒を持っている可能性があるであるということを知ってさえいれば、
「小さい」と理由だけで不用意に捕まえようとは思わなかったはずだ。
一見、大したことなさそうな見た目をしていても、時には人間を死に至らせてしまう可能性がある強さを持つ生き物もこの世には存在しているのだ。
何を隠そう、私も虫に好かれる体質なのかなんなのかは分からないが、身体のあちこちに虫刺されの傷跡がある。蚊はもちろんのこと、ムカデやブヨ、ダニ… 中でも厄介なのがブヨだ。
以前、ブヨの吸血ターゲットとなり、優しくも数カ所刺されてあげたのたが、その後患部は茶色く変色し、4ヶ月経つ今もなお激しい痒みで夜目が覚めるほどに苦しめられている。ブヨに関してはアレルギー体質もあり、刺されてから2週間は患部が倍ほどに腫れ上がるうえ、膿が永遠垂れてきてしまう。ブヨに刺されてあげたのは今回で3回目。夏に虫除けスプレーをかけていかない自分に非があることは分かってはいるが、普段生活していてもブヨに刺されることはほとんどない。
「ブヨは湿った水辺に多く生息している」と私がもっと早く知っていさえすれば、そういう場所に行くときは事前にしっかり対策をし、こんな苦しい思いはしなくても良かったのかもしれない。
ハエほどの大きさのブヨをナメてかかった私に原因があることは明らかだ。
幼蛇もブヨも見た目ではないのだ。
「見た目」だけで弱そうだと判断してしまい、相手が秘めている能力や武器を知らなければ、大きい者でもあっけなく痛めつけられてしまう。
夏休みが終わり、周りの友達はどう成長して見えるだろうか。対面で友達と会えない子たちも、オンラインで見る他の子たちの姿は君たちの目にどう映っているだろうか。
テストや入試の最中もそうだが、周りにいる同じ境遇の子たちがなぜか自分より優れているように感じてしまうことはあるだろう。
特に、こういう長期休み明けは、自分だけが成長してないのかな?と置いてけぼりなったように感じやすい時期でもある。もしかしたら、自分自身がこの日報で登場する「小さいもの」として周りから認識されてしまっていることだってあるかもしれない。
しかし、
「見た目」や「雰囲気」だけで判断してはいけない。
自分がこの夏いかに努力してきたか、いかに知識をつけてきたかという事実、そして自信という武器さえあれば、どんな恐ろしそうなものに必ず勝つことができる。
最後に勝つのは、頭が良さ「そう」な人でも、努力して「そう」な人でもない。
着実に経験を積んできた自分、どんな問題がきても対応できる自分、間違いなく努力をしてきた自分なのだ。
この夏、一緒に燃えた夏期講座、そして自習室で勉強した日々、中3は夏のMJテスト、すべてが勝つための武器となり、力となる。そしてこれからの君たちが積み重ねていく1日1日だって…
※人生MAX体重のときの写真です。背は「小さい」のに見た目は「強そう」です。