本日は、最近X(エックス)で見た投稿で興味深かったものを紹介したい。
内容は、 “心を動かす文章”というもの。
まず、みんなが心を動かされた文章には、どんなものがあるのだろう。
私が覚えているなかで一番心を動かされ、そして心に残っているのは、百田尚樹の『モンスター』という小説。
中学生のときの「朝の読書タイム」で読むために、母の本棚から勝手に持ってきた(笑)のだが、それがなんとも面白く、結構なスピードで読み切ったと思う。
他には、朝井リョウの『何者』、長岡弘樹の『教場』あたりも私にとっては印象深い。『教場』はドラマも話題になったが、小説の満足度が高かったためにそれが崩れるのが怖くて観られていない。
ところが、先日私がXで見た“心を動かす文章”はこれらの長い小説とは違い、英語でたった、6語。
“For sale: baby shoes, never worn”
アーネスト・ヘミングウェイという作家が、友人から「6単語で人の感情は動かせないだろう」と10ドルを賭けられた。そこでこの小説を書き、賭けられたお金を総取りしたというエピソードがあるという。
日本語に訳すと、「売ります。赤ん坊の靴。未使用」。
あえて考察は書かないでおこうと思う。ぜひ、この6単語からいろいろなことを考えてみてほしい。
私も自分であれこれ考えてからコメント欄を見たが、全く別の解釈もあったりして面白かった。
さて、短いからこそ想像の余地を与えるという点では、日本には俳句や短歌がある。
中学3年生の国語の教科書にも載っている「咳をしても一人」という俳句なんかは、いろんな解釈ができるのではないだろうか。
場所はどこなのか。時間はいつ頃なのか。「咳をしても」とあるが、普段から一人なのか、いつもはたくさんの人に囲まれているのか。
教科書にも書いてあるが、「読む人の自由な解釈で補って鑑賞できる」のだ。
なんにせよ、こういう文章から何を感じ取るかというのは、これまでの経験や自分のもっている知識、言い換えると「自分にとっての当たり前」に左右されやすい。長文でも短文でも、この点は同じ。
先ほどのヘミングウェイの小説を知っていろいろな解釈を考える中で、上に挙げたような文学作品に触れるときはもちろん、普段の会話でも、気付かないうちに「こうとしか思えない」と自分の思い込みに固執してしまっていることがあるな、と感じた。
だからこそ、言葉の解釈にはいろいろあるということを念頭に置きながら、文章を読んだり会話をしたりすることが大切だと、改めて感じた。
追伸
Xの投稿繋がりでもう一ネタ。
目黒先生がよくお話しされているwakatte.TVというYouTubeチャンネルの企画で、6月28日(土)に「愛知県の進学校の序列」に関するインタビューの撮影をすると、在校生やOB・OGに呼びかけをしていた。
名古屋駅でやっていたため尾張の方に若干意見は偏るかもしれないが、実際にそれぞれの高校に通っている(通っていた)人たちの結構リアルな声が聞ける…かも!?
また気になる人は、動画がアップされたらチェックしてみてね!