大学時代、深夜にダラダラとテレビを見ていたとき、偶然あるドラマを見つけた。
好きな俳優さんが出ているとか、好きなアーティストが主題歌を歌っているとか
全くなんの関係もなく、本当にたまたま見つけたのだ。
その名も『武道館』。
ひっそりと夜中に放送されていた30分のドラマである。
ふと思い出して先日調べたら2016年の放送であった。
『武道館』と言えど柔道や剣道ではなく、
地下アイドルの女の子たちが日本武道館でのライブ開催を目指して頑張るぞー!というよくある感じのドラマである。
先日結婚を発表したももいろクローバーZのように、がむしゃらで全力な女性アイドルが大好きなわたしは
不意に引き込まれてしまったことを覚えている。
そのなかに、わたしの心の中に鮮明に残っている言葉があり、
放送からすでに8年経過している今も時折思い出すドラマとなっている。
最終回でのワンシーン。
念願だった武道館ライブが決まったとき、グループの1人に幼馴染の男の子とのスキャンダルが出てしまう。
武道館のステージに立ちたいなら、幼馴染だろうともう会うなと言われてしまうのだ。
憧れで夢だった武道館に立つか、グループを脱退するか。
『正しい』選択を迫られるシーンだ。 (※説明が長くなるので省略しています)
その当事者である女の子が言う。
「正しい選択って、この世にあるのかな。」
どっちも同じくらい大切で大事で選べないのだ。全く関係ないわたしも悲しくなってくる。
そして、それを聞いていた別のメンバーの1人が話したセリフ。
「たぶん、正しかった選択しかないんだよ。」
「何かを選んで、選び続けて、それを一個ずつ正しかったものにしていくしかないんだよ。」
ドラマの内容云々ではなく、なんとなく、いい言葉だなぁと妙に心に響いてしまった。
それ以来、この言葉がわたしの中で一種の座右の銘のようになっている。
結局、この子はアイドルグループを脱退し、武道館に立つことはなかったというファンとしては複雑な結末を迎えるドラマなのだが、
人生のいろいろな場面で「選択」するタイミングが訪れたとき、
毎度ながらわたしは「この選択が正しかったって思えるように頑張るぞ!」と気合いが入るようになったのである。
中3生の高校入試。
三者面談を終えて、志望校が確定するタイミング。
志望校調査用紙には、夏よりも力強く、
第一志望校
『確定』の文字が丸で囲まれている。
この高校を受けることを決めた。
この高校に進学することを決めた。
君たちのその選択が将来「この道を選んでよかったな。」
そう堂々と言える選択であることを願っている。
いや、正しかったと思えるように過ごせることを願っている。