もういくつねるとお正月
お正月には 凧(たこ)あげて
こまをまわして 遊びましょう
はやくこいこいお正月
童謡「お正月」の歌詞である。・・・が、凧をあげ、こまをまわす風景などはここ数年テレビ以外で見ていない。歌詞の2番にある「まりつき」「羽根つき」にいたっては僕の少年時代の記憶の中にも皆無だ。お正月らしさも時代とともに変化してくのだろう。
お正月に初詣に行くという恒例行事。実は明治時代に鉄道会社が仕掛けた「お正月は鉄道で社寺へ参拝に行こう」というものがきっかけだそうだ。「初詣」という言葉もこの時作られたそうで、江戸時代まではその年の恵方の方角にあるお寺や神社を参拝する「恵方詣」という風習だったらしい。
あまり見なくなったお正月の風習の1つに家の門前に飾る門松がある。松と竹を使った正月飾りであるが、山梨県ではその飾りが他県と違うそうだ。一般的に竹は上部を斜めに切ったものを使うが、山梨県では竹の切り口は水平である。ここまででその理由が推測できた人はなかなかの歴史通。そう、山梨県といえば武田信玄。竹を斜めに切るというのは「武」田が切られるを連想させるので、それを嫌って武田信玄が始めたというのが竹を水平に切る「武田流門松」らしい。
上記の話は、徳川家康が武田信玄に敗れた三方ヶ原の戦いの後、武田氏にリベンジを果たすため意味を込めて、もともと水平に切っていた門松の竹を徳川家康が斜めに切ったのが全国的に広がったという説もある。今年の大河ドラマ「どうする家康」にこのエピソードが入るとか入らないとかいうのは今のところ聞いていない。
初詣や門松のように「縁起を担ぐ」ことが好きなのが日本人の特徴だそう。毎日のようにテレビで星座や血液型占いコーナーがあり、ラッキーカラーやアイテムを次々と浴びせられる。「信じるか信じないかはあなた次第」ではあるが、一流やプロと呼ばれる人の中にも毎日のように縁起を担いだりゲン担ぎにこだわる人がいる。気持ちの問題ではあるが、信じることで気持ちがプラスになったり、行動にいい影響が出るのならやってみるのがいいだろう。
「どうする?」となったときに、「いいな」と思ったらまずは「やってみる」。単純なことだがこれが意外と難しい。今年は自分もより意識した1年にしたい。
「武田流門松」 毎日新聞 2018/12/26の記事より