学生時代に働いていた塾では、個別と集団の二刀流で僕は授業をしていた。
今日のブログでは、当時の個別授業で起きた出来事について書きたいと思う。
僕は個別での授業が始まるとまず軽く英語で会話をしていた。これは、もちろん個別指導で一度に教える人数が少ないが故にできたことだ。英語が得意な生徒や不得意な生徒と様々だったが、基本的にどの生徒にも英語での会話を1~2分程度行っていた。もちろん、学年や生徒の学力に合わせて使う英語は選んでいたが。
ある日、いつも通り中学1年生の男の子が教室にやってきた。彼にとって、英語は得意ではなかった。どちらかと言うと英語よりも数学の方が好きな生徒だ。英語が苦手な理由は、英単語を覚えるのがどうしても苦手だったからだ。ただ、僕からすると、彼は一般的な英単語を覚えるのが苦手な生徒と同じではないと感じた。理由は、書けるようにすることは苦手だけども、話すことはできたからだ。だから、小テストをしてもいわゆる良い点数ではなかった。しかし、口頭で答えることは毎回できていた。例えば、リンゴをappleと書くのは苦手だったが、リンゴをappleと言うことはできていた。彼は抜群に耳が良かったからだ。一度教えた単語の音は完璧に覚える生徒だった。
この生徒が、今日のブログの主人公だ。
その日は、いつも通り英語での会話で授業が始まった。
“How are you?”
僕は、「調子はどうだい?」と話しかけた。僕が予想した返答は、I’m fine, thank you. And you?だろうと考えていた。しかし、僕の予想は全くのハズレ。この生徒は次のように答えた。
“I’m snoopy.”「僕はスヌーピーです。」
そんなわけはない。(笑)僕は、もう一度聞いた。
“How are you?”
不思議そうな顔で“I’m snoopy.”と答える。
やっぱり自分をスヌーピーだと主張する生徒。僕は耳を疑った。僕の聞き間違え?それとも、ふざけているのか?いや、この生徒はふざけてなんかいない。いたって真剣だった。
「君は、スヌーピーなのかい?(笑)」と僕は聞いた。
「違いますよ、先生。(笑)」生徒が答える。
そりゃそうだ。この生徒は、小学生のころからの教え子だ。目の前にいるこの生徒はスヌーピーではない。
「でも、さっきI’m snoopy.って。それって僕はスヌーピーです。って意味だよ?」
「え?でも、眠いって言いたい時は、I’m snoopyって言うって聞いたことがあります。」
そんなこと僕が教えたのか?いや、教えるわけがない。
真相は、誰かが言ったsleepy(スリーピー)がsnoopy(スヌーピー)と聞こえてしまい、それをそのまま間違えたまま覚えてしまったようだ。
英語の発音は大して問題ではない。発音を気にして自信がなさそうに話すことの方がよっぽど問題だ。むしろ発音を気にせず、堂々と話した方がいい。と巷では噂になっている。
この意見には僕も賛成だ。でも、どうだろうか。多少の発音の違いは気にしなくてもいいと思うが、やっぱり基本となる発音に近づけるべきではないだろうか。
ご飯を食べた後や就寝前など、あらゆるタイミングで、スヌーピーが世の中に溢れかえることになってしまう。(笑)
英語を勉強するとき、少しだけでも発音を気にしてみてはどうだろうか。
