「えっ・・・」
必死に問題を解いている生徒たちに、前触れもなく不意に答えを言ったら、彼らはこんな心境になるのだろうなと思った瞬間であった。
ここは明治村。古い建築物に興味があり、正月休みに行こうと計画するも体調不良で断念し、この時期の訪問となった。おかげで、明治村の恒例行事となっている「謎解き」アトラクションに参加することができた。昨年6月3日の日報にあるように、宮下先生はこの道のプロのようだが、僕は完全な初心者。ただ、『初めての方には最適』という挑戦状「壱」には手を出さず、『明治村の謎解きに何度か挑戦した方にオススメ』という挑戦状「弐」にチャレンジしたのは妙なプライドのせいである。
建物を鑑賞しつつの謎解きであったので、昼食や休憩の合間が推理の時間だ。いくつかの謎を解き、残りの謎解きは次の休憩時にと、建物鑑賞を再開したときであった。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、ある建物の片隅で写真を撮る人物がいた。明治時代の古い建物なので、部屋の隅にもカメラに収めるべき珍しい何かがあるのだろうとそこをのぞき込むと・・・。
「えっ・・・」
謎解きの『答え』がそこにあったのだ。僕は問題を解いている最中である。そう、「謎は、すべては解けていない。」
そして僕は冒頭の心境に陥ったのだった。