Do you know what I mean?(安)
「エイペックス」「エフピーエス」
8月のある日、小学6年生との会話で出てきた言葉だ。
英単語であることは予想できたが、全くもって意味が分からない。
「APEX」と「FPS」
何かの略語なのだろうか。それともひとつの単語なのだろうか。
仮に略語であれば、ある程度知っているつもりだけど、、、
IDK→I don’t know「分からない」
LMK→let me know「教えて」
CU→see you 「またね」
IC→I see「なるほど」
ASAP→as soon as possible「できるだけ早く」
THX→thanks「ありがとう」
OMG→oh my god「驚きを表す意味」
BTW→by the way「ところで」
PLS→please「お願い」
JK→just kidding「冗談だよ」
TTYL→talk to you later「また後で」
残念ながら、僕の英語略語の引き出しにAPEXとFPSは入っていなかった。
このままでは埒が明かない。悔しかったが聞いてみた。
「APEXってどういう意味?」
「APEXはゲームの名前です。」
そうきたか!!え、じゃあ、FPSって何だ?!これもゲームの名前なのか?
これも聞いてみると、ゲームの種類を表す言葉のようだ。
FPSはFirst Person Shootingの略。つまり一人称視点のシューティングゲームの意。操作するキャラクターの視点でプレイするゲームのことを指すようだ。さらにTPSと呼ばれるゲームの種類もあるみたいだ。FPSを知った僕にとってTPSは怖くない。ゲームの知識は無いが英語の知識はある。TPSは予想ができた。きっとThird Person Shootingの略だろう。つまり三人称視点のシューティングゲームのこと。予想は正解だった。
ゲームに縁がない僕からすると馴染みのない「FPS」と「TPS」もゲーム界ではごく当たり前のようだ。
僕は「人称」という言葉の重要性を認識している。これは英語教師であれば共感が得られると思う。中学1年生の鬼門である、いや、英語学習者にとっての最大の鬼門のひとつである「三単現のS」と呼ばれる単元があるからだ。これは「三人称単数現在のS」の略。ここで重要になるのは、もちろん「人称」。
「FPS」を教えてくれた彼は、「人称」の意味を理解していた。興味深いのがゲームを介して「人称」の意味を理解していることだ。勉強だからといって、机で勉強しなければいけないなんてルールはない。勉強とかけ離れていそうなゲームから「人称」の意味を知ってもいい。比喩だって、食リポから学ぶこともできる。(ラーメン雑誌は比喩の宝庫だと聞いたことがある。)スポーツや音楽記号から英単語を覚えてもいい。ポケモンからも英単語の勉強はできる。
勉強の反対側にありそうな娯楽が、勉強の効率を上げることはある。だからといって、やらなければいけない目の前の勉強をおろそかにしていいとは言っていない。
関係ない点と点でも、それらを繋ぐとプラスに作用することがある。
だから、「興味がない」の一言で拒絶するのは非常にもったいない、とAPEXとFPSから改めて気付かされた。