学生時代から始めた塾教師も今年で27年目。
多くの子どもと過ごす中で、多くの子どもの筆箱の中もじっくり見てきた。
25年位前、筆箱の主流はカンペンだった。落とすと騒がしいやつだ。
最初は、いかにも薄く、中身も最低限の文具しか受け入れない感じのものだったが、徐々に、中身が二段になったりして、巨大化していった。
ステッカーなんかで、自己主張をしていた子も多かった気がする。
20年位前、今もこれが主流だが、布製やビニール製の大きな筆箱となってきた。
とにかく大きくて何でも入る。
この頃から、カッターやハサミや大きなマーカーなど、子どもたちの筆箱の中には、道具箱のようにいろいろ入るようになった。
15年位前、振ると芯が伸びるシャーペンが大流行した。
授業中に「シャカシャカ」と振る音が教室中に響いていた。
慣れるまでは、個人的には煩く感じ、「少しは遠慮しろよ~」と思ったりしたこともあったが、子どもたちは普通に、スマートに振っていたものだ。
10年位前、持つ部分がぷにゅぷにゅしたジェルの入ったシャーペンが流行りだした。
「これ、疲れないんですよ!」と語っていた生徒に、ちょっと借りたことがある。
あまりの心地よさに感動し、100円のシャーペンしか買ったことのない僕が、初めて350円のシャーペンを買ったのはこの時だ。
ちなみに今でもそれを愛用している(笑)。
また、この頃から皆が持つようになった定規がある。
半分に折りたたむことが可能な定規で、伸ばすと30cmになるやつだ。
「ギギギギギ」と音が出るのが妙に楽しく、楽器みたいに演奏したくなる。
休憩時間に小学生15人くらいと合奏(?)したのが懐かしい。
カエルの歌だ。
「ゲゲゲゲゲゲゲゲグワァグワァグワァ」の部分なんかは、かなり気持ちがよかった(笑)。
8年位前から目につくようになったのは、消えるボールペンだ。
「これ凄いな!!!どこで買ったんだ???」と言った瞬間、ほぼ全員の生徒が持っていたことは忘れられない。
今では蛍光ペンまでが消えるようになっている。なんて便利なんだろう!
そして、最近「香り付き消しゴム」が再流行の兆しを見せているようだ。
自分の少年時代を思い出す。
小学3年生だった当時、隣の席の女子が、『コーラの香りの消しゴム』を持っていた。
「すげーーーー!」香りを嗅いだ時の、あの感動は今でも忘れられない。
すぐに文房具屋に自転車を走らせた記憶がある。
そこから1年くらいの間に、オレンジ、グレープ、カルピス、メロンソーダ、ラムネ、コーヒー牛乳…と様々な香り消しゴムが登場した。
どれも魅惑的な香りで、それ以来香り付き消しゴムの虜になった。
だから教師生活27年、少々恥ずかしい話だが、香り付き消しゴムを持っている生徒がいると、遠慮がちに香りを嗅がせてもらっていた(笑)。
黒板の前から見ると、だいたい消しゴムの色でわかる。
先日の幸田校小学6年生の授業での出来事だ。
オレンジ色!香り付き消しゴムらしきもの発見。
ロックオンした。
ツカツカとその生徒の席に向かう。
目:香り付き消しゴムか?
生徒:はい!
目:ちょっと嗅いでいいか?
生徒:どうぞ(笑)
目:なんじゃこりゃーーーーーー!
生徒:トムヤンクンの香りです(笑)
目:なんと、ショック!トムヤンクン大嫌いなんだよ~!!!
大爆笑の生徒たち。
すると次々に出てくる。
生徒B:先生、コロッケあります!
生徒C:唐揚げもあります!
目:マジか!貸してみろ、貸してみろ~!
テンション上がりまくりである。
すごい!コロッケはソースの香りたっぷり、唐揚げはコショウの香りたっぷりだった。
さらに、ネット検索してみると、『グラタンの香り』『エビフライの香り』なんかもあるようだ。
ぜひ試してみたい!!持っている生徒がいたら、ちょっと嗅がせてね!!
えー、保護者の皆さま、教科内容もしっかりやっていますので、どうかご安心ください(笑)。