修学旅行シーズンとなり、夢現塾の各校舎の事務室には生徒からのお土産が並ぶようになった。この場を借りて、改めて『ありがとう!』
さて、愛知県の小学校の修学旅行先の定番である奈良・京都は、僕の地元では中学生の修学旅行先であった。
「デケー」
中学生にして初めて奈良の大仏を見たときの感想である。確かこれだけだった。そして友達と足早に鹿の餌やりに向かったはずだ。例の鼻の穴の大きさと同じという柱をくぐった覚えはない。中3という年齢が抑止力になったのだろう。
それから約15年の歳月が流れ…
「なんて荘厳な仏様だろう」
2回目に奈良の大仏を見たときの感想である。そして、聖武天皇をはじめとする大仏鋳造に関わった多くの人々の思いや、奈良時代から現代まで幾多の災難を大仏と共に歩んだこれまた多くの人々の思いをやさしく受け止めているような姿に、何か熱いものを感じながらしばらく立ち尽くしていたのを覚えている。
中学生の価値観では見えなかったものや感じなかったものがたくさんあったんだなあと改めて実感し、生徒を指導する上で、やはり大人と子どもの勉強に対する価値観の隔たりがあることを意識しないわけにはいかないと思ったものだった。
あれから10年近く立ち、僕の環境も大きく変わった。
次に大仏を前にした時に何を思うか。僕の3度目の「修学旅行」に行くことが秘かな楽しみの1つである。