卒業式の季節がきた。
卒業式と聞くと毎年毎年思い出すことがある。
いや、思い出すというよりも、ずっと根に持っていることがある。
それは卒業式で歌う合唱曲のことである。
卒業式の歌といえば定番の「旅立ちの日に」や、「仰げば尊し」などがあるが、
わたしの出身中学では、当時卒業生の合唱曲にEXILEの「道」が採用されていた。
1年生の時、EXILEの存在すら知らなかったわたしは、3年生の先輩の合唱を聴いてとてもとてもとても感動したのだ。
特にサビの「道、君と歩いた今日まで かすかに動く くちびる」の少し早口になるリズム感と、その後の「特別な時間をありがとう」の部分の男声パートと女声パートのハーモニーが絶妙にかっこよくて、お気に入りだ。
「曲名知らないけど、絶対にこの歌を歌いたい!!!」とドキドキした気持ちは今でも覚えている。
2年生になった。
今年もやはり卒業生の歌は「道」。
卒業式の合同練習では合唱が削られてしまうため、聞けるチャンスは卒業式本番たった一度のみ。
やはりあの迫力と「あーりーがとーーーう」は鳥肌が立つほどの素晴らしさだ。
ここまでくるともうすっかりファンである。
そして3年生。
ついにきた!わたしのターン!!
「今日から卒業式の歌を練習します。」
そう言って配られた楽譜には
『大地讃頌』の文字。
え?
「道」じゃないんかい!!!!!!!
歌詞をチラッと見てみると
「大地を愛せよ 大地に生きる」
「母なる大地を 讃えよ 褒めよ 讃えよ 土を」
なんじゃこりゃ!!!!!!
学年集会で主任のおじさん先生が誇らしそうに言った。
「僕の好きな大地讃頌をぜひ歌ってもらいたい。そう思って選びました!(満面の笑み)」と。
たしかに、奥の深そうな素晴らしい歌という雰囲気は感じ取れた。しかし、わたしの3年越しの夢と憧れは儚く砕け散ったのだ。
そうして心にわだかまりを抱えたわたしであったが、それなりに一生懸命練習し「この学年、このメンバーで合唱することは二度とないのだな。」と本番では泣いてしまった。
大人になればこの曲の良さがわかると聞いたので、今改めて聴いてみたが、まだわたしには少し早かったようだ。ちょうど理科の単元「地層とプレート」の授業を終え、大地を学び尽くした今も「愛する」境地に到達することはできていない。(笑)
そんなちょっぴり切ない卒業式でした。
みんなの卒業式はどうだったかな。
卒業式を終えたみんなも、これからのみんなも、来年・再来年に控えるみんなも。
心に残る素敵な思い出になりますように。