小学生の頃、僕は一時期「アンソニー」と呼ばれていた。
お気づきの保護者の方もおられるだろうが、「キャンディキャンディ」というアニメに登場するあの「アンソニー」である。
周りの女子たちの間で「キャンディキャンディ」が流行っていた当時、下敷き、ペン、タオルなどのグッズを持った女子がいっぱいいた。
隣の女子に聞いた。
「この金髪の王子様みたいなキャラは何?」
「アンソニー!!かっこいいでしょ!!」
「じゃ、俺のことをアンソニーって呼んでよ。」
「わかった!いいよ!アンソニー(笑)!」
確か、こんな流れだったと記憶している。それからしばらくの間、「アンソニー」と呼ばれていた(呼ばせていた?)。
しかし、実は「キャンディキャンディ」の番組を見たことは一度もなかった。周りの女子たちが主題歌をよく口ずさんでいたので、歌の一部を知っているに過ぎなかった。
その後、今度は「生徒諸君」という少女漫画が流行りだした。
「これはアンソニーも気にいるはずだから、読みなよ!」
半ば強引に手渡されたのだが、これが結構ハマった。僕が人生で初めて読んだ少女漫画である。
バスケットボールを通じた青春漫画であり、この影響で、中学では、ヤンキーが多く、恐ろしく厳しいバスケ部に入ってしまったくらいだ。後に何人かで退部することになったが…(笑)。
というわけで、小学生の読む少女漫画のイメージは、高校生や中学生の恋話が織り交ざった青春漫画だと、ずっとそう思っていた。
ところが先日、衝撃的なことを知ってしまった。
ある小5生の塾生のかばんの中に本が入っていた。漫画ではないが、そこそこ厚い本だ。
「何読んでいるの?漫画じゃないだろうな~?」
「『12歳』って小説です!」
「へー、小6生の話なんだー。少し見せて!」
「どうぞ!」
表紙や挿絵を見るに、どうやら恋愛小説らしい。
「えっ?小学生の恋の話か???」
「はい!周りで流行っているんです!図書館にもありますよ!」
表紙にはこんな感じのことが書かれていた。
『○○ちゃんと□□くんはカップル、△△ちゃんと☆☆ちゃんはカップル…JS最後の夏、楽しみたいよね~。12歳といえば、大人でもなく子供でもなく、微妙な年頃…』
JS(女子小学生)最後の夏!!!
なんか10代最後の夏みたいな書き方である(笑)。
12歳といえば、大人でもなく子供でもなく、微妙な年頃!!!
子供じゃん!ランドセル背負っているじゃん!!!
突っ込みどころ満載である。
「先生、テレビアニメもやっているんだよ。漫画バージョンもあるんだよ~」
屈託のない笑顔で楽しそうに話してくれる彼女。
「へーーー、す、すごいね。ありがとう~。」
と言いながら、かなりの衝撃と動揺を感じた。
確かに僕の初恋は小4の時である。しかしながら、小学生が主人公の恋愛小説とは…何とも言えない胸のざわめきである。
中3の女子にも話を聞くと、やはり小6の時に流行ったから読んだことがあるとのこと。
「小学生の恋愛小説って、どんな内容なの?」
「めちゃくちゃリア充です!」
「なんじゃ、そりゃ。でも、チュウとかはしないだろ。」
「します!します!普通にします!」
ガーーーーーーーン。
自分の感覚が古すぎるのだろうか。頭上に巨大隕石が落ちてきた気分だ。
低年齢化が進んでいることに恐怖を覚える。
そのうちにJY(女子幼稚園児)の恋愛アニメも作られるかもしれない。
JY最後の夏、お遊戯だけじゃつまらない…
怖くて覗きたくない世界である。
追伸
昨夜で竜南中学の2学期中間テストの成績結果が出そろった。
中1・中2・中3の全学年1位完全制覇である!
さらに、中2生は同点1位なのだが、二人とも我が塾生である!
超嬉しい~!!!