いつかの六名校の授業で「お金好きな人?」と聞いたことがある。
これだけ言うと授業中なのになんて話をしているのかと思われそうなので一応補足をしておくと、数学で円の問題が出たので、「円」繋がりで、日本銀行の旧館は上から見ると「円」のような形をしているんだよ、
…なんて話の流れからお金が好きか聞いたのだが、出会って間もない子たちでもこの質問には遠慮なく手を挙げてくれた。(笑)
さて、みんな大好きなお金。
「世の中結局金」なんて極論もあるけれど、まだアルバイトができない間は、ない金を増やすことはできないし、貯めておいてもわずかな額だろう。
そんな塾生の皆さんに、オススメしたいことがある。それは『カルチャー(culture)の貯金』である。
私が若い頃に、と言うには説得力に欠ける年齢ではあるが、それでも10代のうちに触れてきた本や映画、アート、音楽、それから積んできた知識や経験は、20代になってから、何年も経ってから、活きてくるものなのではないかと最近思うようになってきた。
それは、教える仕事に就いたからというわけではなくて。
例えば、小説を一冊読むだけで、映画を一本見るだけで、自分以外の人の人生を一部とはいえ疑似体験できる。他人の人生を知っているということは、視野が広い人間になれる。体験した人生の数だけ多様な考え方が身につくのだ。
自分にとっての当たり前が誰かにとっては当たり前じゃないかもしれないし、自分にとっての正解が誰かにとっては不正解かもしれない。…ということを知るだけでも大切なことだと思う。
他にも、どんな小さな知識でも、もっているだけで話のネタになる。やっぱり新しい発見をくれる人、会話のきっかけをくれる人というのは、一緒にいて楽しい。
夢現塾では、「そういえば、知ってる?」なんて授業の合間に話をすることもあるが、それはみんなにとって、『カルチャーの貯金』の入り口だと思ってくれたらいいのではないだろうか。
色々な話を聞く中で、興味をそそるものを自分の知識としてもっておくと、いつかそれが話のネタになったり、新しい出会いに繋がったり、それを深く突き詰めていけば仕事に繋がったりするかもしれない。
もちろん話を聞くだけではなく、自分が普段生活する中で気になることは、どんどん調べていく癖をつけていくのもいいだろう。
そういえば、高校野球で有名な「甲子園」はなぜ「甲子園」という名前なのか?
街路樹にツツジが多い理由は何だろう?
2,000円じゃなくてキリの悪い1,980円みたいな値段が多いのはなぜだろう?
…こんな感じで、日常に知識の元はたくさん転がっている。
『カルチャーの貯金』がある人は、視野が広かったり、いろんな人や考え方に対して寛容であれたり、話のネタが多く面白かったり、人としての魅力があると思う。
素敵な大人になるために、今から『カルチャーの貯金』、してみてはどうだろうか??