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南極の日(渡)

2020.12.14

12月14日。今日は「南極の日」である。先ほど初めて知った。

日報のネタに困った時の『今日は何の日』検索でヒットしただけだ。

この日は他に、忠臣蔵でおなじみの「赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日」であることは知っているが、忠臣蔵が小中学生にはおなじみではないことも知っている。江戸時代の吉良氏の領地が今の西尾市だというのも、夢現塾がある岡崎市・幸田町のお隣の市と少し微妙なだけに、ここから話を広げるのはやめよう。

 

さて、「南極の日」。実は1月29日も「南極の日」らしいが、こちらは日本の南極観測基地の昭和基地が開設された日だそうだ。そういえば人生で初めて映画館で見た映画が「南極物語」だった。日本の南極観測隊が昭和基地に連れてきた樺太犬の兄弟タロとジロが、諸事情で南極に取り残されながらも、1年後に救出されるという実話をもとにした感動物語に涙した。いやそれはいい。

 

今日12月14日の「南極の日」は、1911年に人類が初めて南極点(地球の最南端)に到達した日だ。時は帝国主義の時代、国の威信をかけて様々な世界初を争う中の1つに南極点の到達というものがあった。この世界初の南極点到達にかける国や人々の話は、南極物語で涙した少年時代に伝記マンガで読んで心を打たれた記憶がある。

最初に南極点に到達したノルウェーのアムンセンの栄光と、その1か月後に到達したイギリスのスコットの悲劇の話は特に印象に残っている。詳細は省くが、アムンセンは世界初の南極点到達後、無事に帰国し英雄となる。スコットは南極点に到達したもののアムンセンに後れを取り、しかもスコットを含め南極点に到達したパーティー5人全員が遭難してしまうのだ。

 

この2人の南極点到達レースの成功・敗因そしてスコットの遭難の悲劇の理由については、さまざまな分析がされている。その1つに南極点到達の動機の差が指摘されているのが興味深い。アムンセンは冒険家で、南極点到達は子どものころからの純粋な個人の夢・目標であり、自分で判断できる環境であった。一方のスコットは「イギリス」の国家事業の代表者で、国家の期待を一身に背負った身であり、失敗は許されない環境であった。危険であれば自分の判断で引き返すことができるアムンセンと、南極点到達が絶対であるスコット。この違いが世界初の南極点到達の成否、そして生死を分けた理由だという。

 

結果論と言えばそうかもしれないが、一理あると思う。ここぞという場面での冷静な判断ができる、できないの違いは大きい。追い込まれてもやはりどこかに心の余裕があった方がいい。

 

夢に向かって羽ばたかせるための翼がうまく開かないのは、余計なものを背負いすぎているのかも。そういう視点で生徒たちに目を配ることも意識している。

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