先に断っておくが、タイトルのアーティストは本文には一切登場しません。
『ざんねんないきもの事典』
ある団体が主催する『小学生が選ぶ「こどもの本」総選挙』で、2年連続1位となった本だ。大人にも人気のこの本を手に取ったことがある小中学生も多いだろう。
例えばバビルサという動物。上下の犬歯(牙)が異常に発達し、特に上あごの犬歯は下ではなく上に向かって伸び、まずは鼻のあたりを貫通。そしてカーブを描きながらさらに伸びた牙が自分の頭に突き刺さることもあるという。(下の写真参照)なぜこのような進化を遂げたのかは諸説あるものの不明だそうだ。
ここで、「残念な生き物がいるんだね(笑)」で終わるか、それとも一歩前へ踏み出すかが分岐点。この本をきっかけにしていろいろな生物に興味を持ち、図書館に足を運び、そのとき目に入った別のジャンルの本を手に取り、新たな興味が生まれ・・・などという理想的な夢現ループ、いや無限ループにはまればこの本の価値はとてつもないものになる。
某テレビ局で放送している「香川照之の昆虫すごいぜ!」。ドラマ「半沢直樹」でなかなか土下座しない俳優でおなじみ?の彼が、番組では奥の深すぎる昆虫の知識、昆虫愛やマニアックぶり、ストイックな姿勢、さらに昆虫以外の豊富な雑学(かなりカットされるが)を見せてくれる。昆虫にはまるきっかけは小さい頃に読んだ1冊の昆虫図鑑だそうだ。東大卒で多彩な役を鬼気迫る演技でこなしていく役者の側面が見られる番組だ。
北アメリカ大陸には13年や17年周期で大量発生する「素数ゼミ」と呼ばれるセミ。算数や数学で登場した素数が関係するセミがいる。12年や14年ではなくなぜ13年や17年なのか。その謎も解明されつつあるが、ポイントになるのが素数と最小公倍数だ。生物と数学のつながりがおもしろい。
1つのことを深掘りすると、色々な分野のものと関係していることが分かる。今勉強している内容が社会の中でどのように関わっているか。興味を持ってからの第1歩を踏み出してみよう。世界が大きく開けていくぞ!