先月9月4日の国連総会において、「メルカトル図法」に代わり、面積が正しい「イコール・アース図法」による世界地図の使用を推奨する、との決議が採択されたことが話題になった。この決議は、トーゴなどのアフリカ諸国が中心となって提案したもので、日本を含む164か国が賛成し、棄権が6か国、反対が1か国であった。ちなみに猛烈に反対した国はアメリカ合衆国である。
丸い地球を無理やり平面の地図にすると、何かしらの問題が発生する。地理で習うように、「メルカトル図法」では、赤道から離れ高緯度地方になるほど実際の面積より大きく描かれる。ヨーロッパやロシア、米国やカナダなどの高緯度の国々は大きく、アフリカなどの低緯度の国々は相対的に小さく描かれる。アフリカ大陸の14分の1の面積しかないグリーンランドが、同じ大きさに描かれてしまうのは有名な話だ。
地図関連の話題としては、国土地理院が提供している無料ツール「赤色立体地図」を使った古墳探しが一部の界隈で盛り上がっている。古墳と言えば前方後円墳。以前ブログでも書いた日本最大の大仙古墳などは、今でもはっきりと古墳の形をしているので認識しやすい。ところが、古墳だけでなく周りが木でおおわれてしまった場合、高低差が分からず、上空から見ても古墳と認識しづらいのが普通である。
↑国土地理院のホームページより
そこでこの「赤色立体地図」を使うと、木の陰に隠れた人工的な盛り上がりや平坦面、溝などが一目で分かるため、人工地形がくっきり見える。これによって前方後円墳らしき地形が、専門家ではない一般ユーザーによって次々と発見されているのだ。日本で既存の古墳は16万基といわれているが、この数が一気に増えるかもしれない。
この「赤色立体地図」によって、古墳の他に戦国時代の山城や、いまは廃道になった昔の道などが次々と発見されている。新たなツールを使って気軽に発見できるというのが、ユーザーの心を掴んでいるかもしれない。
実際に愛知県の名古屋駅周辺を「赤色立体地図」で見ると、濃尾平野が凹凸の少ない平らな地形と分かる。そこから南の熱田神宮のあたりに移動させると、ポツンと赤い立体地形が浮かんでくる。これが東海地方最大の前方後円墳の断夫山古墳(だんぷさんこふん)だ。
また、熊本県の阿蘇山をこの地図で見ると、カルデラの大きさが非常に分かりやすい。勉強にも使えそうだ。