『地図に残る仕事』というのは、とある建設会社のキャッチコピー。
自分の仕事が“形に残る”ことを、一言で表している非常にわかりやすいキャッチコピーである。
では“教育”は『何に残る仕事』であろうか?
教師によって答えは様々であろう。
思いつくのは『子どもの心に残る仕事』または『子どもの記憶に残る』であろうか。
しかし僕個人的には、そのキャッチフレーズが腑に落ちない。
それは“教育”の理念から外れている。
教育とは知識や技術などを教え授ける、名の通り“教えて育てる”ということだ。
教師は子どもの成長を願い行動するものであって、『子どもの心や記憶に残りたい』と考えて行動するものではない。
子どもの心に残っていてくれたらありがたい話だが、こちらから心に残りにいくものではない。
では“教育”は『何に残る仕事』であろうか?
あえて『○○に残る仕事』という括りで考えてみる。
僕なりに答えを出すと、“教育”とは『教師の心に残る仕事』である。
「どの仕事でも自分の心に残るだろ!」とツッコミがきそうだ。
その通りだ(笑)。
しかし教育は、いろいろな生徒がいて、いろいろな保護者の方がいて、他人の人生に大きく関わることができる仕事。
それらの“人生の関わり”が、“自分の心に残る”のが教育の醍醐味ではなかろうか。
いつか引退した時に、のんびりと教え子たちのことを思い出したいものだ。