約10.2倍。
今年4月に開校する県立の中間一貫校の「刈谷高校付属中学校」の倍率である。(定員80人に対し志願者818人)
11日㈯に一次選抜の適正検査が行われ、合格者は2次選抜の面接に進む。なかなかの狭き門だ。
面接では、普段の会話ではあまり使わない言葉遣いをするのが一般的だ。特に進学や就職が決まる重要な面接では、より緊張感が高まり、言葉遣いにも気を使うだろう。高校の推薦入試の面接練習を何度も重ねて本番に臨んだものの、練習どおりにうまく話せなかったと落ち込む生徒を何度も見てきた。とはいっても、意外とそういう生徒に限って合格していることが多い。緊張の中でも、普段の自分との比較を客観的にできる余裕があったということかもしれない。
さて面接で欠かせないのが志望動機。なぜその学校を選んだかを答えるのが基本中の基本。「貴校の校訓にある・・・」「貴校は○○部の実績があり・・・」というように、文書に書くときは、相手方の学校を「貴校」と書く。「貴」という文字には「高貴」や「尊い」などの意味があり、相手に対する敬意を表現する際に適している。
一方、面接のときは「貴校」ではなく「御校(おんこう)」を使う方が好ましいとされている。
気候、機構、寄港、紀行、寄稿、そして奇行など、「きこう」と読む同音異義語が非常に多いというのが理由らしい。「御」という文字も相手への尊敬を示す。会話の場合には相手に誤解のないように「貴校」ではなく「御校」を使うのが良いということだ。
同じ理由で、企業への就職面接の場合も、同音異義語が多い「貴社(きしゃ)」ではなく「御社(おんしゃ)」を使うのが好ましいとされる。ややこしいのは大学の面接の場合で、「貴学」を「御学(おんがく)」とすればよさそうだが、これは「音楽」と間違いやすいために、「御大学」や固有名詞の「〇〇大学」でOKだそう。
こういうところが日本語の難しいところでもあり、奥深いところでもある。状況に合わせて言葉の使い分けをしてきた歴史があるということだ。
ところがである。生徒に聞いたところ、面接でも「貴校」を使うようにと指導している中学校が多いのには驚きだ。ある中学校では国語の先生に「貴校」だぞと言われたそうだ。「御校」は「本校」に聞こえるからダメと言われた中学校の生徒もいた。
ということで、面接を控えている夢現塾生。
面接では「御校」、
文書では「貴校」と使い分けよう。ただし、どちらも敬意を表す言葉なので、言い間違ってもそこまで気にする必要はない。自分らしさを相手に伝えることを意識して面接に臨もう!
今週15日は私立推薦入試だ。本番でうまくいくことを教師一同祈っているぞ!!
p.s. ちなみに英語の場合は幼稚園から大学まで、「your school」で問題ない。楽である。