諭吉。みんな大好き諭吉さん。お年玉の袋に入っているとうれしい諭吉様。
そんな諭吉公とのお別れが近づいている。
そう今年、紙幣(お札)のデザインが一新され、慣れ親しんだ肖像画も変わる。1984年から1万円札の肖像画として登場し、40年間みんなに愛された「福沢諭吉」が今年で引退となる。そして7月3日から1万円札は「渋沢栄一」となる。とはいってもしばらくは今の紙幣も流通するとのことなので、別れを告げるにはまだ早い。
ということで、5000円札も1000円札も肖像画が変更になるのだが、5000円札に登場するのが「津田梅子」。日本初の女子留学生の1人で、帰国後は現在の津田塾大学を創設し、日本の女子教育の先駆者と評価されている人物だ。
今では海外留学は選択肢の一つとして当たり前の世の中であるが、彼女がアメリカに留学したのは明治時代の1872年のこと。江戸時代末の1853年にペリーがやってきてから20年もたっていない時期。明治新政府が募集した女子留学生の10年間のアメリカ派遣事業になんと6歳で応募したという。父親は姉を行かそうとしたが断られ、その話を聞いた梅子自身が自分で「行きたい」と言ったそうだ。あの当時の状況での6歳の意志なのだ。すごすぎる。
最近の紙幣は明治時代の人物が肖像画に選ばれることが多い。各分野で今の日本の基礎を作ったり、その分野の先駆者だったりしている人物だ。過去、現在、そして次の紙幣の肖像画の人物について調べるだけでも多くの発見ができるだろう。大きな刺激を受けて自分自身の行動や考えに生かすことができるかもしれない。
1984年、2004年、2024年と20年で刷新されている紙幣。順調にいけば次は2044年だが、その時の肖像画は誰になるのか。いよいよ昭和時代の人物が選ばれるのだろうか。それともキャッシュレス化が進み、紙幣というものが存在しなくなるということもありえる。
紙幣1つ、いや1枚をちょっと調べるだけで知識の蓄積や新たな発見ができる便利な世の中。そんな視点から歴史を勉強するのも面白いかもしれない。
※
諭吉を「
輪」吉、「
論」吉、「
輸」吉と書かないように!