「月が綺麗(きれい)ですね」
上記の言葉は明治時代を代表する文豪、夏目漱石が「I love you.」を訳したものだという有名な話がある。夏目漱石が英語の教師であったときの授業内で
漱石「I love you.を訳せ」
生徒「我、君を愛す」
漱石「バカモン。日本人はそんなこと言わん。『月が綺麗ですね』とでも訳せば足りる」
というやり取りがあったというエピソードから広がった話である。しかしそのやりとりを示す具体的な資料は見つかっておらず、また、この話が広まったときのもともとのセリフは『月がとっても青いなあ』というものであったらしい。まさに都市伝説。信じるか信じないかはあなた次第である。
このやり取りの際の生徒かはさておき、夏目漱石の教え子の中に愛知県の瑞陵高校の外国語の教師になった2人の人物がいる。そしてその2人の教え子の中に、日本のシンドラーと呼ばれる杉原千畝がいる。第二次世界大戦の最中にドイツの迫害から逃れるユダヤ人のためにビザを書き続けた話は歴史の教科書に掲載されており、生徒に聞くと小学校の道徳でも習う学校があるようだ。
夏目漱石と杉原千畝。歴史の教科書ではページが離れて掲載されている人物をつなぐ教師の存在。ひょっとして「月が綺麗ですね」のエピソードを語り継いでいるのかも。そんな風に思うと歴史のつながりは面白い。
ここにたどり着くまでの流れは
(かなり昔)テレビで杉原千畝のことを知る→本やメディアから杉原千畝の知識を蓄える
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(最近)岐阜県にある杉原千畝記念館に行く→自分の知識不足を痛感→図書館で関連する本を借りる
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(今ココ)本から得た知識を知ったかぶりでブログに書いている
ユダヤ人であふれた駅のホームで列車の窓から最後の最後までビザを書き続けたという感動的な杉原千畝のエピソード。ある本では真実のように書いてあり、ある本では本人へのインタビューと当時の現状から脚色されたシーンであると書いてある。信じるか信じないかは自分次第。どちらが正しいかを判断できる知識を学び中である。
情報があふれている昨今、情報の収集は容易になったが、その分析、取捨選択が大変である。悪意に満ちた情報、脚色された情報、知りたくもない情報があふれている。その判断のためにはやはり知識が必要。学ぶという姿勢が大事だということを再認識している。