僕は数年前から、旅行に行く目的地の写真をSNS等で見ないようにしている。
ここ数年インターネット上には写真や情報が溢れている。いや溢れ過ぎている。
目的地の場所や建造物を検索するとInstagramやFacebook、Yahoo!やGoogleなどで、たくさんの画像が出てきてしまう。
今は大人だけではなく子どもでもiPhoneやスマートフォンを持っている時代。全員が写真をすぐに撮影できる『国民総カメラマン時代』とも言えよう。
そして写真は編集や加工がなされ、実物以上に魅力的な画像になってしまっているものが大半を占めている。
(余談ではあるが世の中の女の人たちのiPhoneやスマートフォンの写真には『加工していない自分の写真がない』というニュースがあった。また『SNSには加工した写真しか載せていない』との話も…。皆さんはいかがであろうか?)
僕の想像ではあるが、現在の若者たちの旅行の目的の多くが『インターネットで見た写真と同じ写真を撮ること』のような気がしている。
または撮影された場所に行く『撮影地巡礼(写真の場所を確認すること)』も目的として多くありそうである。
もちろんそういうものも旅行の目的の1つであって良いと思う。
しかし僕はそのことを非常にもったいなく感じてしまっている。
インターネットが普及したせいで、世の中から“初めて見る感動”がなくなってしまっていないだろうか?
例えばディズニーランドの『シンデレラ城』。
実物を見たことない人が『シンデレラ城』と検索すると、たくさん写真が出てくる。
インスタグラマーや一般の方々が写真を華やかに加工したものや、特別な日のシンデレラ城が大量に出てくる。
ゲストが1人もいないものや、城の前にキャラクターが勢ぞろいしているもの。プロジェクションマッピングされたキレイな城など…。
しかし写真のものを期待して現地に行っても、同じものを見ることはできない。
せっかく初めて実物を見たのに、『素晴らしい』と思うのではなく、写真と同じではないと『がっかりしてしまう』のである。
僕は初めて見るものの『最初の感動』を大切にしたい。
実物のインパクトに感動したい。大きさに感動したい。色彩に感動したい。
だからこそ、その場所の情報は最小限で良いのだ。事前に見栄えの良い写真なんて見たくはない。
「なるほど。このアングルで撮ったのか。」
「加工技術すごいな!」
などの加工写真を見るのはその後で良い。
人生の中でも数が限られている『感動の瞬間』。
皆さんも、誰かさんの写真でその機会をなくしてしまうのはもったいないとは思わないか?
現代だからこそ生まれてしまった、写真画像での『ネタバレ』と『編集』。
今の若者たちは、昔の若者たちが感じていた『旅行前のワクワク感』を体験することないのであろうか?
行ったことある人の話を聞いて参考にしたり、パンフレットや旅行雑誌に載っている1枚の写真を見て想像を膨らませていたりした古き良き時代。
あえて僕はその『旅行前のワクワク感』を持ち続けたい!
そして時代が変化し、僕の旅行の準備も「あえてSNS等で画像は見ない」と現代風に変化を遂げた。
夢現塾も今年で20年目。
僕は夢現塾の日報では19年間、いつも夢現塾に関係あることだけを書いてきた。ネタ切れでもなんとか絞り出してきた…(苦笑)。
しかし20年目の節目を迎え、これから(時々は)僕個人のこともいろいろ書いてみようかとも思う。(「高橋先生もたまにはプライベートのことを書いてください!」と言っていただいていた保護者の方々、お待たせいたしました(笑)。)
これが僕の20年目の日報の変化だ。