多くの中学1年生が、この3学期に学習するであろう、ヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』
私が中学生のときにも教科書に載っていた作品の一つだ。
これから迎える学年末テストの対策に向けて、教科書を開き、久しぶりにその全文を読むと、「ああ、そういえばこんな内容だったなあ」と懐かしい気持ちになった。
この『少年の日の思い出』のように、国語の授業で習ってから、いつまでも記憶に残る作品がいくつかある。
私の場合、小学校で習った『サラダでげんき』や『ごんぎつね』
それから、中学ではやはり『少年の日の思い出』が最初に思い出される。
他にも『おれはかまきり』や『星の花が降るころに』、『走れメロス』
高校では『こゝろ』と『山月記』、そして漢文の『完璧』という話も。
そして、記憶に残っているということは、記憶に残るきっかけがあったということで。
『サラダでげんき』だと、作中に出てくる「りっちゃんサラダ」が印象的である。
小学校1年生で習ったこの作品。私のクラスでは、そのサラダを調理実習で再現した記憶がある。
15年以上前の事なのに、自分でもよく覚えていたな、と思う(笑)
『少年の日の思い出』なら、エーミールという名前、
それから彼の「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」というセリフが有名である。
題名を思い出せないことはあっても、この名前とセリフはどうも忘れる気配がない。
他の作品もそうだ。
完璧に内容を覚えているわけではないのだが、印象深い名前やセリフ、授業内容があったからこそ、私の記憶に残っている。
それはただ単に私が変なところだけ覚えているだけなのでは、と思うかもしれない。
でも不思議なことに、同じ教科書で勉強した人たちはみんな、だいたい同じ作品を印象的に覚えているのだ。
そういうわけで、卒業後に久しぶりに会ったり、大学で新たに知り合ったりした同世代の人たちとは、意外にも、国語の授業で習った作品の話で盛り上がることが多い。
「エーミール」という名前1つで、「うわ~懐かしい!!」と笑い合えるのである。
いくら同世代でも、全く同じ道を歩んできたわけではないからこそ、
どんな話にも「わかるわかる!」「知ってる知ってる!」と共感できるわけではない。
そんななかで、時間が経っても分かり合える話題となることができるのが、国語で出会う作品の知られざる“魅力”だと思う。
「どうせ将来役に立たない」と勉強から逃げようとする声もたまに耳にするが、共通の話題になるという意味で将来役に立つこともあるんだよ、とみんなには伝えたい。
国語に限らず他の教科でも、学校で勉強したことは、いつになっても共通の話題になり得る。
私も正直、これまで習ったことをすべて覚えているわけではない。
それでも、やけに長い歴史の用語だったり、語呂合わせで覚えた化学式だったり、音楽の教科書に載っていた歌だったり。
少し覚えているだけでも、それを分かり合える人と出会えたときの興奮は計り知れない。
そして、そういう話で盛り上がれるのはきっと、真面目に勉強を頑張った人の特権だと思う。
これからの人生にそんな楽しみを増やすためにも、2023年、気持ちを新たに勉強頑張っていこうね!