では問題です。「正しい」の対義語(反対の言葉)は?
「誤り」…正解!
「間違い」…正解!
「正しくない」…反則気味だが正解!
「正しくない」を反則気味とは書いたものの、「正しい」は形容詞なので、「誤り」「間違い」が名詞であることを考えれば、「正しくない」の方が「正しい」の対義語としては「正しい」といえるのかもしれない。
いや、「正しい」の反対も「正しい」という意見がある。自分が「正しい」と思っていることが、相手にとっては「間違い」だと指摘をされたとする。この場合、自分にとっての「正しい」は、相手にとっては「正しくない」、つまり相手が思っている「正しい」とは反対である。だから「正しい」の反対は「正しい」だ。・・・という哲学的な答えはさすがにテストでは無効であろう。
ああ、ここまでで「正」の字だらけになってしまった。
まだまだ「正」が続く。ここからの話題は中1の数学で習う「正負」の数について。+(プラス)が正で、-(マイナス)が負。+と-はなんとなく反対のイメージだけど、なぜ「負」の漢字を使うのだろうと思ったことはないだろうか。
「負」の漢字を使うもっともらしいものとして、漢字の成り立ち説がある。「正」の字は上の「一」の部分が「国」を表し、下の「止」が足を表す。国に向かって足を進める→国を向かって進軍する→相手を倒して「正す(ただす)」という流れらしい。「正」が相手を倒して勝つの意味なので、プラスの「正」に対してマイナスは敗北の「負」の字を使ったのだという。
説得力のあるこの説も真偽は怪しいらしい。中国の古代の算術書「九章算術」に正負術という計算方法の記述が、「負」の字が登場した最古のものということは確実らしいが。
同音異義語や対義語は、国語のテストでは頻出の問題であるが、公立高校入試の問題がマークシートになり、記述問題がなくなる。漢字も書きではなく選択問題になる。これまで以上に「正」しいものを選ぶ力をつけること、そしてミスのないように「正」しいマークの仕方を身につける必要がある。
ここまでで「正」の文字を何個使ったか。「正」の漢字を使ってチェックする必要はない。