僕が中学1年の時、国語の教科書で『あの坂をのぼれば』という作品が掲載されていた。
あの坂をのぼれば、海が見える。
少年は、朝から歩いていた。
この作品は、当時の中学1年の教科書の最初の単元に出てきた。
真新しい制服を着て学んだ、中学生初の単元である。
音読のテストがあるということで、気合を入れて何度も何度も読んだ。
あの坂をのぼれば、海が見える。
作品中にこの言葉が繰り返し出てくる。
この言葉が、脳にリズムで刻まれている。
あの坂をのぼれば、海が見える。
しかし脳に刻まれている理由は、音感が良いからだけではない。
作品の内容と結末が、ずっと記憶に残っているのだ。
※内容または結末が気になる方は、ネットで調べてください。
少年は山を越えて海が見たかった。
それは幼い頃に祖母から「あの山を一つこえれば海が見えるんだよ」と聞かされたから。
しかし峠を二つ三つこえても海は見えてこない。
少年は呪文のように心に唱える
あの坂をのぼれば、海が見える。
そして最近。
「あの坂をのぼれば、海が見える。」という言葉が、ことあるごとに思い出される…。
現在僕の目の前には、大きな山がある。
それは夢現塾に通っている子たち、全21中学の“行事スケジュール”である。
たくさんの中学の子たちが来てくれるのは、本当に嬉しい。
しかし毎年そのスケジュールに合わせて“夢現塾の年間予定”を組んでいるのだが、今年はかなりキツイ…。
夢現塾『テスト対策期間』は、各中学校の定期テストの約2週間前から始まり、定期テストが終わるまでの約3週間。
しかし今年の2学期中間テストは(現在判明分)、早い中学は9/12・13で遅い中学は10/13・/14となっている。
これを通常通りの対策期間で組もうとすると、8/29(月)~10/15(土)の7週間となってしまう…。
7週間!!!
7週間も通常授業を止めるなんて、絶対にできない…。
他にもゴールデンウィーク数日後の1学期中間テストや、公立高校入試5日前の中3学年末テストなど、中学によってテスト日程が全然違う…。
1年後の未来の自分から、完成している『2022年度の夢現塾のスケジュール』を見せてもらいたいくらいだ…。
さらに“やるべきこと”や“やりたいこと”は、まだまだたくさんある…。
あの坂をのぼれば、海が見える。
半ばかけだすようにして、その頂に立った。
しかし行く手は、またも波のように、くだってのぼって、その先の見えない、長い長い山道である。
僕は、海を目指し歩いていく…。
あの坂をのぼれば、海が見える。
少年は、朝から歩いていた。
作品の“少年”とは違い、僕はひとりではない。
ありがたいことに、塾生や保護者の方々も協力してくれている。
夢現塾の教師たちも力を貸してくれる。
さぁ、スケジュールの作成を続けよう。
あの坂をのぼれば、海が見える。
あれ?
かすかに海鳥の鳴き声が聞こえてきたか…?