「トントン。」
誰かが僕の背中をたたく。
誰?誰がよんでるの??
暗闇の中、姿は見えない。
「トントン。」
再び僕の背中をたたく感覚が。
誰も見えない、何も見えない。
あ・・・これはたぶん夢だ・・・。
でも・・・じゃあ・・・これはいったい何?
「ドン!」
「うっ・・・!?」
体の右側を下にして眠る僕の腰の上に、何かがとび乗った重さを感じる。
枕元にある携帯電話をとり電源ボタンをおすと、重いまぶたの隙間に携帯の画面の光がつき刺さる。
ああ・・・時間はいつも決まって朝5時~5時半の間。
振り返るとそこには、我が家の白い悪魔が、猫じゃらしをくわえ、かわいい顔で僕を見つめている。
毎朝僕の眠りの邪魔をするこの悪魔の正体は、千代丸(ちよまる)12/27産まれの現在5ヶ月の子猫(オス)。
3匹の我が家のネコの一匹が、2月7日に天国に旅立ったため、名古屋で行われた譲渡会で保護ネコだったこの子を引き取った。
ネコは多頭飼いすると勝手に遊んでくれるので楽だと言うが(実際今までは楽だった)、それは年齢が近いネコの場合。
ウチの残りの二匹は15歳(オス)と14歳(オス)と、人間で言えば70歳以上のおじいちゃん。
とてもじゃないがこのいたずらっ子(子猫)の相手はできず、いつも噛みつかれては悲鳴をあげ逃げ回っている。
そこで、毎朝猫じゃらしをもって僕のところにやってくるのだ、それも決まって朝5時に。
たとえ前日11時に寝たとしても、2時に寝たとしても、必ず決まって5時に起こしにやってくる。
この生活が、ここ1ヶ月ずっと続いているのだ。
その1ヶ月前までは、朝7時頃になると他の猫たちを襲撃する(笑)ため、朝になると妻が3匹の猫たちを各部屋にそれぞれ隔離してから二度寝をしていた。
が、成長して睡眠時間が短くなった近頃は、どうやら攻撃目標が僕にかわったようだ。
「かわい~ ♡」
先週の六名校でこのことを話すと、六名校の中3女子たちは無責任に言う。
いやいや確かにかわいいが、毎朝5時に起こされるほうはたまったもんじゃない。
我が家にやってきたときはたった900グラムだったのが、現在3200グラムと3倍以上に成長。
その3kg以上の物体が、2メートル近い高さのキャットタワーから熟睡中の僕にとんで来られた日には、もはや恐怖でしかない。(いや、実際とんできています!!)
ああ・・・僕のぐっすり眠れる日はいつになるのか・・・。
とりあえず来月の去勢手術が終わればおとなしくなるはず(?)なので、夏期講座前までにはなんとかなってほしい今日この頃である。