4/8は「花祭り」。「花祭り」とはお釈迦様の誕生日のことである。
この日にご開帳されるという仏像(秘仏)を求め、前日にネット検索したところ、三重県津市のあるお寺がヒット。
(※秘仏とは、普段は見ることができない仏像のことです。)
朝9時に電話で確認すると、「数年前から第1土曜日のご開帳となりました。本日はもうありません。」とのこと。
あらら。出鼻をくじかれたものの、昨年建物が国宝になった、津市の専修寺(せんじゅじ)にも行くつもりだったため、とりあず自宅を出発。
その専修寺の前に、まずは前から気になっていた津市の「ルーブル彫刻美術館」へ。
「サモトラケのニケ」と「千手観音」が同居する、なかなかの珍スポット(笑)
その後、お目当ての専修寺に参拝したが、時刻はまだ3時半をすぎたところ。
帰るには早いが、う~ん・・・お寺を回るにはすでに遅い。
四日市のプラネタリウムは?と調べたが、最終上映も4時半と間に合わない。
帰る方向で何かないか調べ、最近できた、湯の山温泉にある「アクア・イグニス」という商業施設へ行くことに。
施設内をぶらりとしたが、特に何をするわけでもなく5時をすぎ、まあこれで帰ろうか・・・と車を出発。
しかし、そこで駐車場からでる際に、左に曲がるところをなんとなく右に曲がってみた。
明らかに自宅へ帰るには遠回りだが、
「そういえば、鈴鹿スカイラインって走ったことないな・・・」
ただそれだけを理由に「まわりみち」をしてみることにしたのだ。
くねくねと曲がる山道をひたすら登ると、「滋賀県」の文字が。
あ・・・三重から滋賀に入っちゃった、まあいいか・・・
といった感じで、さらに走ると桜がチラホラ。
そうか、このあたりは標高も高く、気温が低いからまだまだ桜が残ってるんだね・・・そんなことを妻と話していると、突然、道路脇に満開の桜が眼に入った。
それも何十本も!
すぐに駐車場に車をとめ、今年できなかった満開の桜での夜桜見物となった。
(あとで知ったのだが、この甲賀市の「うぐい川の桜」は、滋賀県では有名な超人気お花見スポットで、そのソメイヨシノの数は800本以上だそうだ。)
「なんだか今までのドライブは、このためだったみたいだね。」
妻のその言葉に、なんだか不思議な気持ちになった。
アクア・イグニスを出るとき、なんとなく右に曲がらなかったら、この桜には出会えなかった。
鈴鹿スカイラインって走ったことないな・・・と考えなければ、この桜を知ることもなかったのだ。
人生とは不思議なもので、思いがけないところで思いがけない出会いがある。
それは意外と、目的としていないことをしている時にこそあるのかもしれない。
「まわりみち」は非効率的だけれど、さまざまな出会いや発見をさせてくれる。
そんなことを感じた春の休日であった。