小さい頃から、学園ドラマが大好きだ。
最初は、水谷豊主演の「
熱中時代」。いつかの日報にも書いたが、主題歌「僕の先生はフィーバー」は、今でも自分のテンションを上げるための重要な曲だ。
次は何といっても「
金八先生」。特に「校内暴力」がテーマの第2シリーズ、「薬物依存」がテーマの第7シリーズは、何度見たかわからない程だ。金八先生の魂のこもった言葉の数々が、学生時代も、塾の教師になってからも、心の奥底でこだましている。
以下、徒然なるままに、「目黒が勝手に選ぶ名学園ドラマ」を挙げてみたいと思う。
「
みにくいアヒルの子」
大好きなドラマの一つで、何度も見直したいのだが、未だにDVD化されない。VHSは売っているが、Amazonでプレミアも付いて1本25,000円は高すぎる。何度も悩んでは諦めている…(泣)。子どもたちに起こる問題や困難に対して、教師も一緒に悩み、乗り越え、共に成長し、絆を強くしていく。誰が見ても共感できる名作だと思う。正直、「自分だけの一番星を見つけろ!」は、僕の教師としての大きなテーマとなっている。
「
職員室」
絶妙に現実味あり、身につまされるような怖い話だったが、いじめ問題について、いろいろと考えさせられた。
「
ごくせん」
ずいぶん気楽に見られる水戸黄門のようなドラマだ。「私?私は、この子達の担任の先生だよ。」と言って、結った髪の毛をほどき、眼鏡を投げすて、決闘してみたくなる。当然、赤いジャージを着てね(笑)。
「
GTO」
まぁ、かっこいい先生だな。これが流行っていた頃、「俺はGTMだ、グレート・ティーチャー・メグロじゃないよ。頑張れ・ティーチャー・メグロだよ。ちょっと弱いかなっ?」って、よく冗談を言っていたな。ちなみに、この主題歌も、聴くと、未だにテンションが上がる。
「
スクール☆ウォーズ」
僕ら世代は皆ハマったと思う。教師となってから見直すと、水原(ヤバい不良)が、卒業式に職員室に「お礼」を持ってきたシーンが泣けてたまらない。実話の方のNHKプロジェクトXの方はDVDも購入し、何度も泣いた。実話だけに、荒れていた生徒の背景には貧困問題などがあり、社会が抱える闇も映し出されている。永久保存版だ。
「
ドラゴン桜」
確実に漫画の方がいいが、ドラマ初回の「バカとブスこそ東大に行け!」のシーンに込められた思いには、説得力がある。最近メディアで話題になった中学受験がテーマの「二月の勝者」も似たような話で、日本社会の縮図を垣間見るようだ。
「
ROOKIES」
ドラマも毎回楽しみに見ていたが、生まれて初めて一人で観た映画でもある。それも10年位前、岡崎のイオンシネマに。あの音楽がかかると涙が止まらなくなり、甲子園への思いが妙に強くなってくる(笑)。
最後は、何と言っても「
女王の教室」。毎回毎回、ハラハラしていた記憶がある。10年前くらいのドラマなので、教師目線で見ており、幾度となく唸った記憶がある。
ドラマの中には名言が山ほどあったので、一部を紹介しよう。
愚か者や怠け者は差別と不公平に苦しみ、賢い者や努力した者は色々な特権を得て、豊かな人生を送ることができる。それが社会というものです。
人生は1秒1秒の積み重ねです。時間を無駄にする者は、人生を無駄に生きているのと同じことなんです。
どんなに立派な会社でも、ちゃんと仕事をしているのは全体の30%くらいなんです。あとの50%は、何もしてないのと同じだし、残りの20%に関しては、人の足を引っ張っているだけ。問題は、一生懸命やっている人も、足を引っ張っている人を見ている内に、馬鹿馬鹿しくなって何もしなくなることです。そして、会社はあっという間につぶれます。
愛することと甘やかすことは違います。12歳の子供なんて、まだ未完成な人間なのよ。その未完成な人間に、媚を売ったり彼らを甘やかしたりしてどうするんですか。罰を知らないで育った子供は、社会に出ても問題や事件を起こす大人になるだけです。そういう人間を作らないために、学校があるんじゃないですか。
いじめをやめなさいと言って、いじめをやめますか、子供たちが。大事なのは、子供達がいじめに立ち向かう精神力をつけることです。いじめに対処する知恵を持つことです。いじめられても戦おうという気力がないからいつまでたってもいじめられるんです、いじめがいが無くなれば、みんなやめるのに。そういうことを教えないで、犯人を見つけても何の意味もないでしょう。
何か辛いことがあった時に、あなた達にできることなんか、せいぜい目をつぶることぐらいじゃない。でも目を閉じても、問題は消えて無くならないわよ。目を開けた時に、事態はもっと悪くなっているだけ。普段は個人の自由だなんて言って権利を主張するくせに、いざとなったら人権侵害だと大人に守ってもらおうとして。要するに、いつまでたっても子供でいたいだけなのよ。悔しかったら、自分の人生くらい、自分で責任持ちなさい!
勉強は、しなきゃいけないものじゃありません。したいと思うものです。これからあなた達は知らないものや理解できないものに沢山出会います。美しいなとか、楽しいなとか、不思議だなと思うもの沢山出会います。そのとき、もっともっとそのことを知りたい、勉強したいと自然に思うから人間なんです。好奇心や探究心のない人間は人間じゃありません.猿以下です。自分たちの生きているこの世界のことを知ろうとしなくて何ができるというんですか。いくら勉強したって、生きている限り分からないことはいっぱいでもあります。世の中には、何でも知ったような顔した大人がいっぱいいますが、あんなものは嘘っぱちです。良い大学に入ろう、良い会社に入ろうが、いくつになっても勉強しようと思えばいくらでもできるんです。好奇心を失った瞬間、人間は死んだも同然です。勉強は、受験のためにするのではありません。立派な大人になるためにするんです。
いい加減目覚めなさい。人生に不安があるのは当たり前です。大事なのは、そのせいで自信を失ったり、根も葉もない噂に乗ったり、人を傷つけたりしないことです。例えば、人間は死んだらどうなるかなんて誰にも分からない。言う通りにすれば天国にいけるとか、逆らえば地獄に落ちるとか言う人がいますが、あんなものはでたらめです。誰も行ったことがないのにどうしてわかるんですか?分からないものを、分かったような顔して無理に納得する必要なんかないんです。それより、今をもっと見つめなさい。
イメージできる?私達の周りには、美しいものがいっぱい溢れているの。夜空には無数の星が輝いているし、すぐ傍には小さな蝶が懸命に飛んでいるかもしれない。街に出れば、初めて耳にするような音楽が流れていたり、素敵な人に出会えるかもしれない。普段何気なく見ている景色の中にも、時の移り変わりで、はっと驚くようなことがいっぱいあるんです。そういう大切なものを、しっかり目を開いて見なさい。耳を澄まして聞きなさい。全身で、感じなさい。それが生きているということです。
今はまだ、具体的な目標がないのなら、とにかく勉強しなさい!12歳の今しかできないことを一生懸命やりなさい。そして、中学へ行きなさい。中学に行っても、高校に行っても、今しかできないことはいっぱいあるんです。それをちゃんとやらずに、将来のことばかり気にするのはやめなさい。そんなことばかりしていると、いつまでたっても何にも気付いたりしません。
放送された当時、その主張が極端、または、ドラマであるが故の、展開を面白くする演出が過激すぎて、賛否両論だった。もちろん、すべての名言が完璧だとは思わないが、社会が人間を育てることの意義や生き方の指針など、皆が迷い、悩み、彷徨う難題に対する挑戦状であるかのような主張が、実にはっきりとしていて、大いに参考になったし、勉強にもなった。
個人的に大好きなシーン、普段はやる気のない学年主任の並木先生のラストのセリフだ。
なんで、あんな素晴らしい人を辞めさせなきゃいけないんでしょうか。
阿久津先生は、自ら大きな壁になって、自分を乗り越えろと言いたかったんですよ。
壁にぶつかったことのない子供は、挫折に弱いし、 今は大人が壁になっていないから、子供がなめるんだし。
子供は、私のことなんかすぐ忘れるけど、阿久津先生のことは、一生忘れませんよ。
本当に辞めなきゃいけないのは、私のような、教師の方じゃないんですか。
せめて俺達年寄りは、阿久津先生みたいな、 やる気も、理想もある人を守ってやらんといかんのではないでしょうか。
大人がカッコ良くないから、子供がグレるんです。
3月5日から新学年での授業がスタートします。
僕らも、子供たちの「壁」になれるように、厳しく、温かく、カッコ良く頑張ります!