三日前、火曜日のできごとだ。
小6の授業を終え中学生の授業までの間、パソコンに向かう僕に中2のK君が、神妙な面持ちで近づいてくる。
「!?」
何かあったのか?その表情は暗く重く、いつものはつらつとした彼らしくない。
学校で何か問題でも起きたのか?
それとも・・・好きな女の子にフラれたとか?
数秒間の間に僕の脳はフル回転し、さまざまな「悪いこと」を想像してしまう。
「ど・・・どうした?」
おそるおそるきく僕に、彼は
「スミマセンでした!」
と頭を下げる。
「・・・へ?」
突然のことに「え?」ともならず「へ?」と声を上げてしまった。(笑)
「な・・・なんのこと?」
訳がわからず理由を聞くと、どうやら先週の土曜日のこと。
K君が授業中に豪快にあくびをしたのだが、1回目は優しく注意した。
しかしさすがに2回目も豪快に僕に向かってあくびをしたので、ちょっとキツめに注意したのだが、そのことだという。
「最初に注意されたのに直せず、その後2回目も注意されてしまい、スミマセンでした。・・・ずっと心に引っかかってて・・・」
おいおい、どんだけ真面目だよ!?
思春期まっさかり、叱られれば、「うっせーな」ぐらいに思う年頃のはず。
それが、「ずっと心に引っかかってて・・・」って・・・。
彼の人柄の良さと真面目さに、心をうたれました。
部活で疲れた体にむち打って塾に来てるんだから、そりゃああくびくらい出るさ。
でも下を向いたり、目立たないように隠してすれば何の問題もないんだよ。
塾ですることは、自然と学校でもしてしまうもの。
だから学校でも同じことをしてしまうかもしれない。
こんなことで君たちの学校での「授業態度」の評価が下がって、通知表に影響するのは僕たちは残念でならない。
だから注意するんであって、決して怒っていたり、ムカついているわけじゃないからね。
さあ、僕らも君たちの眠気を吹き飛ばせるような授業をするように頑張るから、一緒に頑張ろう!