「ふっかつのじゅもんが復活!」
3度のゲームより勉強が好きな夢現塾生には全くもって興味のない話であろうが(笑)、人気ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」の最新作で、ふっかつのじゅもんを再び取り入れるそうだ。
「じゅもんがちがいます」
黒いテレビ画面に映るこの冷たい文を見て、涙したのはもう30年近く前のことだ。
ドラゴンクエストの1作目がファミコンで登場したころは、今では当たり前にあるセーブ機能(中断したデータを保存する機能)が存在していなかった。そのため、中断したゲームを再開するためには、「ふっかつのじゅもん」と呼ばれるひらがなの文字列を入力する必要があったのだ。(ドラクエⅠが20文字、Ⅱが最大52文字)
このじゅもんを1文字でも間違えると、上記の「じゅもんがちがいます」というメッセージが出現し、中断した続きを再開することができなくなる。つまり、多くの敵を倒して主人公を育て上げ、冒険を進めていった「血と汗と涙の結晶」ともいうべきあの努力と時間が全て無駄となってしまうのだった。
スマホもデジカメもない当時は、テレビ画面に映し出されたこの「ふっかつのじゅもん」を手書きでメモをする必要があった。そのため、書き取りミスをしてすべてを失った苦い経験を持つ者は少なくなかった。神聖なるこのメモを親にゴミとして扱われ、闇に葬られた友達もいた。彼らは(自分も含めて)その失敗から多くを学び、ミスをなくすための努力を惜しまなかった。兄弟や友達がそばにいる場合は「音読係」と「メモ係」に分かれてメモを取り合い、復唱し合って確認したものだった。逆にミスをミスで終わらせた者たちは、同じ過ちを繰り返していったのは言うまでもない。
特訓テストや授業の様子を見ていると、問題文を読むときの慎重な姿勢、やり直しや確認作業を怠らない余った時間の有効活用など、ミスに対して強いこだわりを持っている生徒がいる。そういう生徒はやはり得点力が高い。おそらく以前にミスでよほど悔しい思いをしたことがあるのだろう。
成績が伸び悩んでいる生徒諸君。ひょっとしてミスをミスと気づかずに過ごしていないかい?ミスをミスで終わらせてはいないかい?ミスに気づいたその瞬間が「ふっかつ」のチャンスだぞ!