2学期中間テストの対策期間のこと。
その日、私は六名校で自習室監督をしていた。みんなが集中して勉強しているかを見ながら、自分も授業の準備のためにテキストやプリントとにらめっこ。
シーンと静まる自習室に、ペンを走らせる音だけが響く。
自分が学生のときにも学校や図書館などで聞いていた音だからか、懐かしく感じられる。自習室で頑張るみんなの姿に、私も準備の手がはかどる。
準備を進めつつ、ときどき質問対応をしていると、あっという間に時計の長針が一周していた。
「よーし、じゃあ休憩~」
私のその声を合図に、少しずつ自習室が賑やかになる。
六名校の自習室では、休憩になると自分の席を立って友達と話したり、机に伏せて頭を休めたり、掲示物を眺めたり、私に話しかけにきたり、毎回「先生、アメくださ~い!」と叫んだり(笑)、過ごし方はさまざまである。
その日もいつものようにガヤガヤし出していた…のだが、その中から中3生のこんな声が聞こえた。
「○○~、社会の問題出して~!」
そう言った生徒をはじめとする数人が、名前を呼ばれた生徒の席の周りに集まる。そして、彼が何か問題を出すと、
「「「△△!」」」
「これは~~だから、△△なんだよ!」
一斉に答えを叫び、関連の知識まで説明する徹底ぶり。
その後も社会の問題に答える元気な声が、休憩中の自習室に響いた。
彼らはきっと、声に出して復習をすることで、ノートに問題を解くこと以上の勉強効果を得られたはずだ。
勉強は、五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を刺激するといいと聞く。友達同士で問題を出し合ったり、家で勉強するときに単語をつぶやいてみたり、いろいろな方法がある。一人で勉強することが多い人も、ノートに書く勉強に加えて、ぜひやってみてほしい。
そして、周りにいた他の生徒にとっては、意識の高い中3生を見ることで、「自分も頑張らなきゃ!」「3年生すごいな!」と思うことができただろう。
やっぱり一生懸命頑張る姿に、心は動かされる。お互いに切磋琢磨する中3生の姿を見て、勉強に対する考え方が良い方向に変化していたら嬉しいなと思う。
2学期期末テストまで1か月ほどとなった。
「まだ1か月もある」なんて思わず、既に学校で授業を終えている内容はテストに出ると考えて、学校のワークや塾のテキストでコツコツと復習を進めよう。
今回は自習室での素敵な様子を紹介したが、みんなそれぞれ自分の集中できる場所があるはず。
それぞれ自分に合った場所で、自分に合ったやり方で、期末テストに向けて一生懸命頑張ってほしい。