~1ヶ月以上前の話である~
節分。
僕は豆をまいた記憶があまりない。
“恵方巻き”なるものも食べたことがない。
小学生と話をしている時、ふと勢い余って言ってしまった。
「再来週は節分だな。夢現塾で初めての豆まきしてみるか?」
子ども達は大盛り上がり。
しかし今後の人生も含め、数回しかまかないであろう“豆”をまくからには、それなりの豆をまきたい。
そして僕が目を付けたのは“高級落花生”であった。
携帯とパソコンを使い検索した。
発見した!
“最高に美味しい落花生”の文字に始まり、“落花生専門店”“創業130年”“切断面製法”などなど、気持ちがたかぶる言葉が並ぶ…。
僕はそれを注文するために、住所を打ち込み、名前を打ち込んだ。
最後に支払画面となった。
そこで指が止まる…。
『これが落花生の金額?送料だけでも普通の落花生が3袋買えそうだぞ…。』
悩むこと5分。遂に金額を支払った。
支払った後で、僕は思った…。
『こんな高価な落花生投げるのはもったいないな。子ども達に踏まれて潰されたら…。』
そして節分当日。
僕は“高級落花生”と、中国産の“スーパーの落花生”を持って教室に入った。
どよめきと歓声が起こった。
豆まきよりも、やりたいことがあった。
「どっちが高級な落花生か、当ててみよう。」
第一回夢現塾落花生テスト。通称“MRテスト”である。
六名校の小6の子ども達と、自習に来ていた中学生と、ちょうどそこにいた渡辺先生も、一斉にMRテストをした。
10倍も金額が違う落花生である。
半数の子が当たった。
無論、渡辺先生は正解した。舌も一流の教師であることが証明されたのだ。
後日、ちょうど事務室にいた2人の先生にMRテストを抜き打ちで実施してみた。
1人は、テレビで食事レポートを受けた宮下先生。
もう1人は、我らが塾長、食べることが大好きな目黒先生だ。
この2人は間違えない。いや間違うはずもないだろうから、このテストはやっても面白くないかな。
そう思いながら“高級落花生”と“スーパーの落花生”をAとBに分けた。
交互に1つずつ食してもらい、僕は正解の紙『高級落花生はA』を持って待っていた…。
すると2人は意を決し、答えた。
「これはBだな。」
「僕もBだと思います。」
そして事務室には、僕の高らかな笑い声が響き渡ったことは言うまでもあるまい。
しかし全員の名誉のために言うわけではないが、これだけは伝えておきたい。
落花生は味の違いが分かりにくい。
しいて言うなら、渋みが残っている方が高級品である。
食べやすい方が“スーパーの落花生”なのである。
皆さんも実施される場合は、“味の渋み”と“その後の人間関係”に重々注意してもらいたい。