まだ寒さが身に染みる季節。
とある日の夕方、六名校の扉が開いた。そこに視線をやると、1人の卒業生の姿があった。
「どうしても夢現塾を見たくて来ちゃいました。」
共通テストを目前にした彼女は緊張と不安でいっぱいだったようだ。
当時通っていた教室と、頻繁に利用していた自習室を目にした彼女。
無機質な机と椅子が置かれた、何の変哲もない空間。彼女の目には、これがどのように映ったのだろうか。
少しばかりか晴々とした顔つきになって帰ったように感じた。
後日結果報告に来てくれたが、愛知県内の国公立大学に合格したとのこと。
「本当に、おめでとう!立派!!!」
卒業生が顔を出してくれる度に考える。夢現塾とはどんな場所なのか。
さまざまな視点があると思うが、一言で言えば、「学習塾」。
間違ってはいないが、夢現塾をただの学習塾と考えていない卒業生は彼女のように多いと思う。
何かがあったときに、戻れる場所。
何かがなくても、立ち寄れる場所。
喜びを共有できる場所。
不安を分散できる場所。
軌道修正してくれる場所。
喝を入れてくれる場所。
第二の家のような場所。
さまざまな捉え方があると思うが、夢現塾で過ごしたからこその価値が卒業生の数だけ存在するのだと思う。
卒業生は「夢現塾」という名詞に自分自身の価値を見出しているように思う。
今後もふとした時に夢現塾の日々を思い出してもらえたらとても嬉しく思う。
そして身の回りの名詞に自分だけの価値を創りあげてもらいたい。
誰にも邪魔されない自分だけの価値を。