想定外
この言葉に驚きと少しばかりの怖さを感じた。
先日、サッカーアジア杯が始まった。3大会ぶりの王者奪還を目指す日本は、第1試合でベトナムと戦った。現在、史上最も好調で勢いのある日本代表だが、意外にも苦戦しながらの試合運びとなった。結果は4-2で勝利をしたが、手に汗握る試合展開だった。さらに試合後のインタビューでは「想定外」の言葉を多くの選手が口にしていたのが印象的だった。
国を代表する超一流でさえ、想定外なことがいとも簡単に起き得ることに驚くとともに、本番の怖さも感じた。当たり前だが、あらゆる想定はしていたはずだ。超一流のスタッフらが導き出したデータ分析や経験値などから可能な限り想定したうえで初戦に臨んだはず。しかし、一試合を終えた選手たちのコメントからは「想定外」の一言が目立った。一方、その状況下で勝利した日本代表の勝負強さに頼もしさが見られた。
受験生はこれを「入試」に置き換えてみてほしい。
可能な限り想定して準備をしても、イレギュラーなことは起こる。筆記用具の不備、試験時間の不足、各教科の手ごたえの無さ、急な腹痛、体調不良、、、他にもあるのかもしれない。いや、きっとある。いくら想定しても想定外のことが起き得るのが本番だ。練習ではないことが緊張感を一気に高めてくる。想定外なことが起きたときに、パニックになることは安易に想定できる。
ここではっきりしておきたい。決して怖がらせたいわけではないということ。ただ、準備段階で手を抜かないでほしいだけだ。あとから、あれもこれもやっておけばよかったなんて思ってほしくない。また、仮に想定外のことが起きたときには、何をするのか。シンプルにその瞬間で最善の処理をするだけだ。それができるようにずっと夢現塾で鍛えてきた。みんなの勝負強さはここで培ってきた。だから、恐れないでほしい。残りの日数が少なくなってきた。でも、まだある。最善の準備をして、最高の結果を手にしてもらいたい。
人事を尽くして天命を待つ。