毎年楽しみにしているTV番組の1つにM-1グランプリ(漫才のコンテスト)がある。有名・無名・プロ・アマを問わない数千人の漫才師の中から予選を勝ち上がった強者たちの戦いだけに、お笑いのセンスや発想力、間の取り方など、「面白い」を超えて思わず唸ってしまうこともある。
この番組をきっかけにブレイクする芸人も非常に多く、大会に向けて相当な覚悟と気合でネタ磨きをするそうだ。すでに来年に向けて準備を始めた芸人もたくさんいることだろう。このあたりは、志望校合格に向けて頑張る夢現塾生たち、そして毎年1年1年が勝負の僕たちに通じるものがある。
今回の放送では、野球ネタを披露していたコンビがいたのだが、ネタがまさに「空振り」する場面があった。お笑いでは当人がウケると思ったネタがスベることは多々あることで、同じネタでも客層や場の空気はもちろん、演者の気持ちの入れ方や声の出し方、ちょっとした表情の違いなどでも笑いの反応はぜんぜん違ってしまうそうだ。
「空振り」はその場では失敗である。特に思いっきり振っての「空振り」はとても悔しい。気持ちが折れる。でも、「空振り」は次につながる。実際の野球でも、見逃すぐらいなら振ったほうがいいとよく言われる。自分の考えや行動と何がずれていたのかは、振って初めて分かることだからだ。
大事なことは「空振り」の後にどうするか。偉大なる空振りであったかどうかはその時は分からない。
「ミスをしない人間は、何もしない人間だけだ」
~セオドア・ルーズベルトの言葉~