先日、「野口哲哉展」が開催中の刈谷市美術館を訪れた。ご覧のように、鎧兜を着た人物をモチーフにした立体作品や絵画を制作している現代美術家の展覧会である。
パンフレットより
テレビか雑誌で初めて彼の作品を見た時、「斬新だな!」と感じた。正直、僕は現代美術に対してあまり関心がない(理解力に乏しい)ので、「斬新」というワードが彼の作品に適しているかは分からない。が、作品にはもともと好きな戦国時代との関連も多く、興味を持つには十分のインパクトがあった。
「斬新」といっても0(ゼロ)から生まれたわけではない。鎧兜という先人のものを着た人物を、フィギアや現代の絵画や西洋画と組み合わせたり、組みこんだという発想が新しいと感じたのである。
この感覚は、問題集やテストで、今まであまり見かけない新しいパターンの問題が出た時と似ている。美術館でそんなことを思った時点で職業病の発症であるが、新しいパターンと言いながらも、実は今までに見たり解いたりしたことがある問題がベースになっていることがほとんどである。それを一ひねりではなく、ふたひねり半ほどして作られた問題が「新しく」見えてくるのだ。
テストでこのような問題が出てくると、「難問出現!」と焦る生徒も多いだろう。そうなっては出題者の思うつぼだ。焦らず落ち着いて今まで勉強したことを思い出そう。今まで蓄積してきた自分の知識や記憶の中にその問題を解くためのヒントや関連情報があるはず。それを探し出し、引っ張り出せるかが出題者の本当の意図だ。それができれば立場は一気に逆転だ!
最初は喰い気味で作品を見ていたが、そんな余計なことを考え始めてからはなんだか消化不良になってしまった。僕にとって現代美術はまだまだ難問らしい。