夢現塾の一年は『合格祈願ツアー』から始まる。
今年も大型バス4台を貸し切り、中3生達と岩津天満宮へ合格祈願に行く予定であった。
バスの出発が午前10:10。
子ども達の集合時間は午前9:50。
本来であれば、僕は幸田校に午前9:20に出社すればよい。
しかし楽しいバスツアーにするため、抜かりなく準備をしたい心配性な僕は、午前8:30に校舎に着いていた。
パソコンを立ち上げる。
そしてバスの座席をプリントアウトするために、エクセルを立ち上げた。
しかし調子がおかしい…。
パソコンの画面に次から次へと警告文が出てくる。
マウスをクリックしても、まったく反応しない画面。
普段は反応が遅い僕のパソコンが、見たことも無いような速さで警告文を連続で出してくる。
こんなにも性能が良かったのか、僕のパソコンは…。
2010年に購入した年代物のパソコンの警告文の速さにひとしきり感心した後、急に焦りが湧いてきた…。
早く出社したことが完全に裏目となった。
他の校舎に電話をするも、まだ出社時間前。
もちろん誰も電話に出ない…。
この対応策を探すために、ネットをくまなく調べた。
同じような質問をしている人が2005年にいた。
「エクセルが動きません。どうしたらいいですか?」
という質問に対し、ベストアンサーは、
「パソコンの電源を抜きましょう。」
“何を言っているんだ!”
と思いながらも一応電源を抜いてみるが、やはり何の効果もなし…。
「おはようございます。」
「先生、あけましておめでとうございます。」
次々に子ども達がやってくる…。
子ども達に12月に伝えていた。
「座席を自由にしたら、友達がいない子は寂しい思いをするだろ。俺はそういうのが好きじゃないからさ、座席作るぞ。」
と言っている以上、まさか座席が無いなんて言えない。
しかも“言うだけ言って、作り忘れているんじゃないか?”なんて思われたら、今後の指導にも影響しかねない。
そしてしばらくして、緑丘校の廣瀧先生と、岡崎本校の渡辺先生の2人に電話が繋がった。
「すみません。データを送ったのでそちらの校舎でプリントアウトして、幸田校にFAXしてください!」
FAXを待ちわびる僕のもとに、2枚の同じFAXが届いた。
そしてその紙を掲示すると、子ども達はそんな事情も知らずに座席を見て大はしゃぎ。
本来であれば、新年初の日報。
夢現塾教師陣を代表して、岩津天満宮の様子などを余すところなく書きたかった…。
しかし気付いたら、あまりの長文となってしまった。
『岩津天満宮合格祈願ツアー』の話は、明日の渡辺先生が日報で書いてくれるだろう…(笑)。
今日の日報は、僕の焦りを子ども達には伝えず、FAXが来るのを待つという話。
そう、“僕は言わず(岩津)、紙(神)が現れるのを信じる”という話である。
言わば、僕の岩津天満宮ツアーは、皆よりも一足早く始まっていたのだ。