元教え子の男の子が、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)のキャストになった。
彼は夢現塾の開塾当初からいた子であり、5年間夢現塾に在籍した初めての子でもある。
将来、役者になりたいというのは、ことあるごとに聞いていた。
その子が
「USJのキャストになりました!」
と報告に来てくれた時、心から感動した。
しかも普通にショーに出るのではない。
ショーの主役に選ばれたのだ!!
目黒先生と僕は、彼が入塾して以来今までで一番褒めた(苦笑)。
しかし見に行く機会がないまま、時は過ぎていった…。
もちろんその原因は、僕の偏見にある。
ご存知の方もいるかもしれないが、僕はディズニーランドの元キャストである。
正直、人並み以上にUSJというところに抵抗がある…(苦笑)。
そんなこともありUSJとは距離を置いていた僕だが、もうすぐ彼の契約が切れることを、彼の姉から聞いた。
いつか見に行こうと思っていたが、そのいつかが終わってしまう…。
「機会がない。」などと言っている場合ではない。
ここで行かねば、いつ行くんだ!
朝4:30に起きて、彼を見に行った。
アトラクションなど乗るつもりはさらさらない。
彼を見る為だけにUSJに乗り込んだ。
彼の出演するステージの時間を聞き、かなり早めに並んだ。
そして最前列のイスに座り、開演を待った。
激しい音が鳴り、ショーが始まった。
メイクをした彼が現れた。
たくさんの拍手と歓声が彼を包む。
僕は誰よりも大きな拍手と大きな歓声を彼に送った。
彼も舞台の上から、僕に気付いたようであった。
縦横無尽に動き回る彼。
抑揚のある台詞回しで盛り上げていた彼。
感動でかすむ僕の目の奥に、今までで一番立派な彼の姿を刻み込んだ。
彼は僕の自慢の教え子の一人である。