先週、夢現塾を卒業した高校生から、幸田校に電話がかかってきた。
「すみません。高校数学の質問があるんですけど…。高校の数学の先生から、塾や予備校の先生など、誰に聞いてでも良いから解けるようにと言われて…。明日、先生時間ありますか?」
残念ながら僕の翌日の予定は六名校であった。
そのことを話すと翌日、幸田校出身の卒業生2人が、遠路はるばる六名校までやってきた。
教室に入るなり、2人は質問を机に広げた。
想像以上の問題量が、何の前触れもなくそこに現れた。
「まさかこれ全部?」
その問題数に一瞬ひるんだ僕は、「紙と鉛筆持ってくるよ。」と言い、事務室へと向かうため教室を出た。
歩きながら、“高校教師からの挑戦状”に心の準備をした…。
尖らせた鉛筆2本と紙を何枚か持ち、その子達の前に座った。
そこからは、大量の質問を次々に解いていった。
止まることのない鉛筆。理解を確認しながら解説をしていった。
「おーっ!!」っという2つの小さな歓声が、3人だけの教室に静かに何度も響き渡った…。
しまった!外で自習している現塾生達にも、この歓声を聞かせたかった…。教室の扉をさりげなく開けておくべきであった…(苦笑)。
そしてこの2人の卒業生達は、なぜ僕が『夢現塾のガリレオ(自称)』と呼ばれているのかを、肌で感じたことであろう…。
僕は、子ども達の質問や相談を数多く受ける。
『数学』や『理科』だけにとどまらず、期末テスト前には『美術』や『技術』なども必ず質問がくる。
『高校入試の面接』や、『生徒会役員の立候補演説』などでのアドバイスを求められることも多い。
1つだけ即答できなかったのは、卒業生が『就職の相談』に来た時である。1週間ほど時間をもらい、その子が持ってきた30社以上の企業リストを持ち帰り、全ての企業を調べ、レポートにまとめた。
僕は思う。
子ども達が質問や相談にやってくるのは、僕らを信頼してくれているからである。
それに応えるのが『いい大人』であり、子どもが想像している以上の対応をするのが『かっこいい大人』ではないだろうか。
僕は『かっこいい大人』を目指し、今日も質問に答え続ける。