私にとって、この冬はちょっとしたイベントシーズンだ。
というのも、人生で初めての引っ越しを控えているからである。
部屋の真ん中に開いたままのダンボールがひとつ。
そこに適当に入れたつもりの荷物が、気づけば山となっている。
クローゼットを開けると、前に着たのはいつだろうかという服。
棚の奥からは、大量のポーチやiPhoneケース、ほこりをかぶったキーホルダーが出てくる。
「あ、こんなの持ってたなあ」と毎回手が止まる。
捨てるか迷って数分眺めて、結局また元の場所に戻してしまったりする。
気づけば作業は全然進んでいないのに、部屋だけが散らかっていく。
引っ越しは、体力よりも”
決断力”が削られるもののようだ。
荷物の奥から、中学のときに友人同士で回し合ってた他愛もないやり取りの手紙も出てきた。
丸字で書いた部活に関しての内容、テスト前に励まし合うような内容、おそらく卒業式にもらったであろう内容のもの。
一つ一つ紙を開いていくごとに、「ああ、この頃こんなこと考えていたのか」と思わず笑みがこぼれてしまう。
こうやって部屋を片づけながら、“今まで住んでいた空間そのものが、自分の歴史なんだな”と感じた。
壁に貼ったままになっているポストカードや、玄関に置きっぱなしの傘、毎日見ていた窓からの景色。
どれも、特別なものじゃないのに、手放すとなると急に寂しくなる。
しかし、同時に、新しい家の間取りを見たり、まだ何も置いてない部屋の写真を見ると、
「ベッドはこの辺かな」「ここにドレッサーを置けばスッキリしそう」「部屋には日が沢山入りそうだな」と、自然に胸が高鳴ってくるものだ。
環境が変わると、人の心は自然に前へと進んでいく。
引っ越しとは、そういう“
背中を押してくれるイベント”でもあるんだと思った。
さて、今回の期末テストをもって2学期の定期テストが全て終わった。
だが、安心するにはまだ早い。
君たちの頭の中も、1学期・2学期の内容が、私の部屋みたいに色んな情報で散らかっている人もいることだろう(笑)
だからこそ、ここから年末までの時間は“
総復習”という名の片づけ期間にしよう。
教科書の端に貼ったままの付箋、解きっぱなしのプリント、苦手なまま放置した単元。
一つひとつ整理していけば、来年の勉強内容・勉強部屋はもっと扱いやすい状態になるはずだ。
部屋も、心も、勉強も。
きれいに整った先には、新しい景色がちゃんと待っている。