生まれも育ちも岡崎。私は岡崎から一度も出たことがない生粋の岡崎市民である。祖父や祖母も父もみな岡崎出身。
「
いつかこの町を出て、大都会に行くんだ!」
と若き日に夢見たこともあった。が、岡崎の居心地の良さなのだろうか、「岡崎を離れる」というメリットを感じることが出来ないまま今に至る。
正直、小さい頃は岡崎に魅力を微塵も感じなかった。母校の大樹寺小学校から、毎日のように大樹寺に集まる観光客を見ながら友人と「岡崎に観光なんてする場所ないのにねー。」と不思議がって観光バスを見送る小学生時代。
遊ぶ場所といえば、当時岡ジャの愛称で呼ばれていたイオンか日名のアピタしかないと嘆いた、遊びたい盛りの中高生時代。
そして名古屋の大学まで2時間近くかけて通っていた大学生時代。気の遠くなるような通学時間中、何度電車で寝過ごしたことだろうか。駅近ではないため最寄り駅まで行くのも一苦労のため、大袈裟かもしれないが毎日が小旅行のようだった。
遊ぶところも選べるほどなく、「岡崎?どこそれ?」と鼻で笑われるこの岡崎市を、学生だった私はあまり好きだと思えなかったのだ。
しかし、夢現塾に入社し、車を手に入れた途端、岡崎に対して魅力しか感じなくなった。
車があればサクッと東岡崎駅にも岡崎駅にも行ける。しかも両駅共もそこそこ大きな駅のため、特急が必ず停まる。さらに飛行機に乗って旅行に行くことを覚えた私は、岡崎からなら車でセントレアに行くのはそこそこ近いことを知る。そして高速道路の入り口も比較的アクセスしやすい場所にあるため、県外への旅行もしやすい。イオンも昔よりも店舗数が格段に増え、わざわざ名古屋に行かなくても大抵の物は手に入る。美容院も異常なほど多く選び放題。そこら中に薬局があり、コンビニがあり、何も困らない。何よりガソリンがとにかく安い。最高だ。
都会過ぎず、田舎過ぎず、平和な町、それが岡崎なのだ。
そんな岡崎に最近よく見かける若い観光客たち。
彼らはかなりの確率で康生町付近に出没し、かなりの確率で、黄金に輝く徳川家の家紋がカゴに装飾された自転車に乗っている(笑)
何もないはずだった岡崎は、確実に見所を増やしているようだ。
SNSで「岡崎」を検索しても、「
岡崎行きたい〜」「
岡崎で年越ししたい!」「
岡崎行ったばかりだけどもう行きたい」など、全国から岡崎愛がこもった言葉で溢れている。
かつて一世風靡した、オカざえもんを筆頭に、YouTuberの東海オンエア(つい一昨日活動を休止してしまったが…)、そして今期の大河ドラマ『どうする家康』と、とうとう岡崎が全国から注目される時代がやってきたのかと、生粋の岡崎市民として心から嬉しく思う。
つい先日には、ついにガチャガチャエリアでこんな台を見つけてしまった。
誰を対象に作られたかが全く分からないが、ベタな岡崎城や八丁味噌はともかく、シビコや岡崎ニューグランドホテル(私の両親はここで披露宴をしたそうだ)を選択にいれるところに、企画担当者の方は相当な岡崎マニアなのだろうと確信した。
君たちは岡崎が好きだろうか?幸田町が好きだろうか?君たちの中には数年後、いつかこの町を離れていく日が来る人もいるのだろう。
その住み着いた町の色に染まっていく人もいるのだろう。でもふと思い出すときも来るだろう、この岡崎で無邪気に友人と家族と遊んだ日を。そして岡崎を懐かしむだろう。
そんなときに、「そういえば夢現塾!先生たち、元気かな!?」なんて、私たちに思いを馳せてくれる日が来るといい。
君たちの青春時代はこの岡崎、そしてこの夢現塾無くしては語れないほど、心に刻まれる場所になるといい。