とうとう今年から岡崎市内の小学校では芸術鑑賞会が始まるようだ。およそ4年ぶりの再開だろうか。
実際に鑑賞会を経験してきた卒業生たちは大体が口をそろえてこう言っていた。「連れていかれるから」「学校の行事だから」と。
この日報をご覧の小学生諸君。『芸術鑑賞会』と聞いていかがだっただろうか?
「え?なんだそれ?興味ないだと?僕は忙しいだと?」
そんな子どもたちに私は声を大に言いたい。
「
うらやましい!」と。
まずこの芸術鑑賞会の価値について説明しよう。この芸術鑑賞会はあの日本を代表する巨大劇団、劇団四季が完全にボランティア活動として行っている一大イベントである。そのため、小学生たちはもちろん無料である。もしこれを大人が観劇する場合、1公演6000円のチケット代が必要だ。ちなみに小学生以下は4000円。
もし、招待ではなく家族みんなで同じ演目を観に行こう!となると、4人家族(大人2人、子ども2人)の場合、家族全員で20000円必要である。加えておじいちゃん、おばあちゃんを連れて行こう!となった場合はさらに12000円が追加され、合計32000円。
お世辞にも安いとは言えない金額だ。
これが、もう少し大規模な演目、『ライオンキング』や現在名古屋で公演中の『キャッツ』になるとさらに金額が増してくる。大人1人13000円、子ども8000円だ。
これはもう、家庭によっては大イベントになってしまうだろう。
高い、だろうか?
……お金に抱く価値は人それぞれだが、この金額は演劇界では妥当だ。
この金額を出してでも劇場に足を運ぶ人は沢山いる。そのぐらい
演劇は尊いものなのだ。
映画とは全く違うのが舞台である。
1つ1つ目の前で実際に役者から発せられる魂がこもったセリフ、歌。ほとばしる汗、ときには思わず涙を見せる役者もいる。スポットライトの眩しさや温かさ、胸躍らせる音楽。そして客席にあふれる笑顔と感動と拍手。
「
生(せい)」が舞台には存在しているのだ。
舞台経験は今回が初めてという子どもたちもいるだろう。
だからこそせっかくの機会を「ただの行事」だと無駄にすることなく、是非今羅列した、「生」を全身で感じ取ってきてほしい。そして、その舞台が一体何人の手によって生み出されているのだろう?と想像を膨らませてほしい。
特に劇団四季は、劇団に入るためのオーディションがあるのはもちろん、入団後には演じたい役を勝ち取るためのオーディションが別で実施される。つまり、舞台に上がることが許されるのは劇団員の中でも本当に実力のある一握りの選ばれし役者なのだ。そんな真の努力家の本気の演技や歌、ダンスを無料で味わってくださいと、劇団四季側から招待されるなんて、どれだけ贅沢なのだろうと感じてほしい。せめてこの日報を読んでいる夢現塾生だけには、「ただ楽しい」だけでなく、そういう見方をしてほしいものだ。
-以下、劇団四季の公式㏋「こころの劇場」より抜粋-
子どもたちの心に、「生命の大切さ」「人を思いやる心」「信じあう喜び」など、生きていく上で大切なことを、舞台を通じて語りかけたい――。毎年、北は北海道・利尻島から南は沖縄県・石垣島まで、日本各地において学校単位で子どもたちを無料でご招待しており、年間約140都市400回の公演を行っています。未来を担う子どもたちの問題は、社会総がかりで取り組まなければなりません。心に響く舞台をお届けすることで、これからもひとりでも多くの子どもたちと、感動の輪を広げていきたいと願っております。
この『芸術鑑賞会』がただの夏休みの行事ではなく、君たちの心に深く残る「
感動体験」になることを願っている。そして忘れてはいけないのが、劇団四季を超越するほどの「
感動体験」ができる、夏期特訓講座だ。
教室という名の劇場に、私たち夢現塾教師が沢山の笑顔を咲かせてみせよう。