「蟷螂(とうろう)の斧」という故事成語がある。弱小のものが自分の力量をわきまえずに強敵に向かうことのたとえだ。
ボクシングなどの格闘技で、たいして強くもない選手が試合前の記者会見で格上である相手選手を挑発。『俺様つえーぞ』アピールを散々かましておいて、試合当日にボコボコにされるというお決まりパターンがよい例であろう。
蟷螂(とうろう)とはカマキリのことである。「蟷螂の斧」は日本ではマイナスの意味として使われるが、中国のいくつかの古い書物には、カマキリが路上で馬車や牛車にカマを振り上げ対峙する様子が描かれ、「勇気がある」「健気」「無謀」などと様々な感想が書かれている。
確かに馬車や牛車は無理だとしても、実際カマキリは強い。先日テレビ番組で、自分の数倍の重さの鳥を捕食するオオカマキリの映像を見た。周りからは無謀な挑戦に見えても、結果を出しているすごい昆虫なのである。
初めての定期テスト前の中1に目標順位を聞くと、「1位!」と元気のいい答えを返す生徒がいる。蟷螂の斧と周りから思われようが、たとえ大きな勘違いだろうが、その立ち向かっていく姿勢は国語の「おれはかまきり」のように明るい自信家のようで気持ちいい。
もうすぐに期末テストが始まる。中間テストの結果が思った通りにならなかったからといって、振り上げたカマを下ろす必要はない。テストまでの自分の勉強を振り返り、良かったことは継続、反省点はしっかり修正して臨めばいい。そうすればおのずと結果がついてくる!
おれは がんばるぜ
もえる ひをあびて
かまを ふりかざす すがた
わくわくするほど
きまってるぜ