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夢現塾日報 blog

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失われた夏(目)

2020.05.23

3日前の夜、仕事帰りの僕は車の中で泣いていた。甲子園中止のニュースを見たからだ。コロナに奪われた幼い頃からの夢、それを受け入れなければならない高校球児の姿に涙が止まらなかった。甲子園だけではない。先日決定したインターハイ中止も吹奏楽大会の中止などもそうだ。部活動で高校選択をした多くの卒業生たちの顔が浮かび、さらに涙が止まらなくなった。

帰宅してからも関連ニュースや、関係者のコメントなど見尽くし、読み尽くした。

理由はただ一つ。中学生の大会も今後どうなるかわからない。部活動に燃えている塾生もたくさんいる。彼らの気持ちを少しでも理解してやりたいと思ったからだ。

そんな中で、特に感銘を受けた二つを紹介したい。

一つは「ガンちゃん」の愛称で親しまれ、かつて日本ハムで活躍した岩本勉さんの話である。彼は高3生の時、強烈な経験をしている。以下は、3年前にラジオで語られた内容の一部を要約したものだ。



阪南大学高校野球部3年だった岩本勉さんはドラフト指名候補にその名が挙がる本格右腕のピッチャーだった。全国高校野球選手権大阪大会開幕を目前に控えた7月7日、その日もチームメイトと共に汗を流していたが、彼らの夏は、突然、終わりを告げた。

「校長先生からお話があります」と、練習中にもかかわらず教室に集められる部員たち。大会に向けた訓示・激励だと思っていた。しかし、校長、野球部部長、監督、コーチらが顔を揃えた教室で、部長が絞り出すような声で発したのは、「申し訳ない」という謝罪の言葉だった。2年生部員が傷害事件を起こしたことを理由に阪南大学高校野球部は大阪大会への出場を辞退することになったのだ。

耳を疑うような言葉・・・その現実を受け入れることは「無理だった。頭が真っ白になるっていうけど、ホントになるからね。放心状態ってああいうことをいうんやね。」

「甲子園出場を目指して小・中・高と厳しい練習に耐えてきたからこそ、最後の舞台でそれを表現するのみ。勝っても、負けても、ぶちのめされても納得するんですよ。」

のちに「青春だった」と振り返り、高校卒業後の人生――次のステージで頑張るための糧となるはずの最後の夏を失ったという現実に、「気がついたら、みんな涙止まらへんの。そこで感じたことが涙は枯れるんだ、と。枯れた。もう、涙を出し切った。」

そんな岩本さんは、自身の体験を振り返りながら今回の中止決定の報を受けて、高校球児たちへ熱いエールを送り、最後にこう語った。(Youtube「片岡篤史チャンネル」より)

「今50歳手前になって彼ら(高校時代のチームメイト)に会って、返ってくる言葉は『おかげで社会に出て、どの場面に出くわしても、あれ以上辛いことや、苦難、困難はない』と。かっこよかったですよ。」

不遇な出来事さえも糧にして、前へ前へと進んできた彼らの生きざまに感銘を受ける僕がいた。

もう一つは朝日新聞に載っていた甲子園51勝の名将・明徳義塾の馬淵監督が部員たちに語った言葉である。



今、日本高野連の発表で中止が決まった。今大会は102回の回数には入れるらしいが、中止。地方大会も中止だ。おまえらが目標にしとった大会がないので、非常に残念でたまらん、俺も。3年生は、選抜も中止になったところで、最後の夏に自分の力を発揮できる大会がなくなったというのは、本当につらい。今の社会情勢から言ったら、おまえらも50%ぐらいは「(大会が)ないんじゃないか」という気持ちは持っていたと思うけど、正式に決まったんで。

ただ、いつも言っているように、高校野球の目的は「人間づくり」やから。勝つか負けるか分からん。優勝せん限り、どっかには負ける。4千校近いチームの中で1チームだけで、あとのチームは、予選か甲子園に行ってどっかで負けるか、負けて終わるわけだ。

目標としとったものがなくなるというのは、本当にね、なんとも言えん。一言では残念としか言いようがないけど、それだけでは言葉が足らんと思うんやけど。

目的は「将来につながるための高校野球」やから。それだけは忘れんなよ。勝った負けた、甲子園に出場できるできない、レギュラーになったなれないと、いろんなことがあるけど、要は、世の中に出て通用するようなことをグラウンドで学ぶのが高校野球なんや。

大会がなくなったからというんで、自暴自棄になり、目標を失ってふにゃふにゃの人間になったりしたらあかんど。まだまだ将来つながるんやから。

新しい目標を立てて野球続ける者もおるだろうし、高校3年間で終わって進学して違った道に行く者もおれば、就職する者もおると思う。けど、必ず、今の親元を離れて寮生活をして打ち込んだものが、絶対どこかで生きてくるんやから。

よその学校に比べたらまだ恵まれていると言ったらおかしいけど、四国大会でチャンピオンになり、神宮大会という全国大会の経験ができたというのは唯一の救いや。胸張っていいと思うけど、新しい目標を設定して、そこに向かってやっていかなならん。

だから、今の時期で「甲子園がなくなった。はい新チームに切り替えます」というようなことはしない。まだ高知県で大会に代わるようなものも考えてくれているみたいなので、とにかくやれることを最後までやっていく。

ええか、これでOB気分になって「終わった終わった」じゃないんだぞ。3年生も夏休みまでは、自分の目標に向かってしっかりやって、グラウンドには普通通りの時間に出て、普段通りの練習をやる。

忘れんなよ。世の中に出ていろんな苦しいことがあった時に、耐えていける精神力をつけるというのが高校野球なんや。こういう苦しい時ほど、人間は試されるんで。甲子園だけがすべてじゃないんやから。人生、甲子園に行けない人間の方が多いんやから。全員が気持ち切り替えてやっていかないと。それでも最後まで同じ仲間とグラウンドでやれたというのが財産やから。10年、20年経って、「あの時、自分らの代は地方大会がなかった。試す場所がなかった」ということが、きっと役に立つ時があるから。

これで気持ちを切り替えるのは難しいかもしれんが、次のステップにみんなが進んでいくようにしよう。今の状況は命に関わることやから。最近は若い者でも重症になったり命がなくなったりする者もおるんで。他の人にうつしたりする心配もある。

地方大会がなくなったというのも、移動と審判員の安全(のため)。それと、今は医療態勢が崩壊しかかっているやろ。球場に医者を派遣するだけの余裕がないと言われている。高知県だけじゃない、甲子園もそうや。みんなを守ろうということよ、要するに。コロナから守ろうということで、大会をなくした方がいいんじゃないかということ。そういうとらえ方をせないかんのじゃないかな。

今、ぱっといい言葉が出てこないけど、自分も高校野球やった人間やから。でも、俺らは負けて、それで高校野球に区切りをつけたんや。それがない分だけ、つらいわな。気持ちはよう分かる。親御さんもそういう気持ちだったと思う。そういう関係者のことも考えたら非常につらい。気持ち切り替えてくれとしかいいようがない。

頑張ってやれよ、こっからだぞ。こっからが出発点だ。何も終着駅じゃないよ。こっから出発点だ。気持ち切り替えてやっていけよ、ええか。

名将の言葉は重い。野球を通して人生を教える。

6月から夢現塾は対面式授業再開である。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ第二波、第三波に備えなければならない。3月時のようにできる限りの対策を講じて感染予防に努めながら、勉強を通して人生を語り、塾生の頭と心を鍛えていきたい。

 

Where there is a will, there is a way.


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