彼の名は髙須慎一郎。初めて会ったのは27年も前に溯る。彼が大学卒業を目前に控えていた頃である。僕は前職の大手予備校の新人教育研修官の一人として、彼と出会った。とにかく声が大きく、存在感もあり、教科も一緒だったので強く印象に残った。数年後、同じ本部に配属され苦楽を共にする仲になった。初めて食事に行った時のことが忘れられない。
目黒:髙須くんは好きな食べ物は何なの?
髙須:何でも食べます。僕は量的にグルメなんです。
「量的にグルメ」、初めて聞いた言葉に大爆笑した記憶がある。その後も、何度も何度も食事に行ったが、とにかくよく食べる。彼は「普通盛」という単語が目に入らない。「大盛・特盛」しか食べないのである。彼の一番のイメージが「量的にグルメ」に確定した。
縁あって、3年前から夢現塾の教師になってくれた。
日頃の彼との会話の1位は、もちろん生徒のことだが、2位は食べ物に関することである。彼は常にいろいろなものを教えてくれる。
髙須:会長、セブンイレブンの「金のマルゲリータ」ってピザ、激ウマですよ。ぜひ、食べてみてください。
早速購入し食べた。美味すぎる。それから、20回以上は購入している。ものすごくハマった。
髙須:私と会長の大好きな「グリコのアーモンドピーク」、コンビニなら150円以上、安売りでも135円くらいしますが、フェルナなら、なんと99円ですよ。
すぐに店を訪れ、10個単位で大人買いした。さらに、初めて行ったフェルナの安さに感動し、その後かなりの頻度で行くようになった。もちろん、その度に10個単位でアーモンドピークも購入している。
※↑旧パッケージ
※↑新パッケージ
このような話はほんの一部である。美味しい店、美味しいもの、彼は次々と情報を提供してくれる。そして、それらの情報は全て正確なのである。推測だが、僕の体重の15%くらいは、彼のおススメによってできている。
先日のことだ。
髙須:ダイエットします。今回は本気です。
目黒:毎回言ってるじゃん(大爆笑)。あなたは教師としては超一流だけど、ダイエットに関する能力は五流だから、無理だって(笑)。
髙須:いやいや。見ていてください。「最近痩せすぎているけど大丈夫か?」って言わせますよ。
目黒:それも毎回言っているでしょ(笑)。俺、思うんだけど、爺さんのデブって滅多にいないじゃん。だから、そのうち、自然に痩せると思うんだよ。俺らくらいが丁度いい感じになるんだと思うよ。今痩せている奴らはガリッガリになるんじゃないかなー(笑)。
髙須:いやいや。実は最近スクワットがなかなかできなくてですねー。
目黒:嘘でしょ?
髙須:いやいや、昔はスイスイできたのが、かなりきついんですヨ。できますか?
目黒:できるよー。ほれ。
ビリッ!!!!!!!!
印刷室中に響き渡る音がした。
そう、ズボンのお尻の部分が破れたのである。触って確認すると、見事に全開であった。
目の前では、髙須先生が
「すみません。すみません。笑ってすみません。許してください。でもこれは…面白すぎます…」と言いながら、膝を床につけて笑い転げている。悪い奴だ(笑)。
事務室では髙須先生の笑い声に、何事か?という雰囲気だったが、事情を聞いてさらに皆が大爆笑。
こんなに他人に笑われたのは人生初めてかもしれない。ただ、余裕はないのだ。5分後に業者の方が打ち合わせに来られる。しかも女性だ。非常にまずい。
とりあえず、周りの男性教師に確認する。
目黒:ズボン黒っぽい、パンツ黒、気づくかな?
高橋:パッと見は大丈夫ですよ。パッと見ではですがね…(笑)。
楽しそうに答える高橋塾長。ここにも悪い奴がいる(笑)。
なんとか打ち合わせを乗り越えて、事務室に戻ると、髙須先生はまだニヤニヤしている。そして、
「すみません。目に焼き付いていて…」とまた笑い出す。本当に悪い奴だ。
最優先事項として妻にズボンを届けてもらったことは言うまでもない。
彼のダイエット生活が本格的に始まったようで、夜はお腹が空いてかなり辛いらしい。
「ローカロリーフードは味が薄いんですよー。食った気にならないんですよー。」と怒っていた。ただし、よくよく聞いてみると、あまりに薄いので味海苔をプラスしたそうだ。すでに方向が怪しくなっている気がする(笑)。
ズボンの修理代には、2000円掛かることとなった(泣)。
もうー、髙須くんの責任だからね!!!!!
ということで、仕返しに、美味そうな焼肉、揚げたてのとんかつ、彼の一番好きな四川ラーメン屋の画像などを深夜次々に送ってやろうと画策している僕である(笑)。
追伸
髙須先生のダイエットに関する最近のブログは
こちらです。