

2026.07.01
パパとしては嬉しいことに、マレーシアの大学に通っている娘が一時帰国している。
来週から約半年間は、オーストラリア・メルボルンにある本校へ通う予定だ(授業料はマレーシア価格のままでお得!)。
高校時代の友人たちとの次々の約束、祖父母に会う、美容院、歯医者、買い物……。
帰国したというのに、娘の予定表は真っ黒だ(笑)。
先日、そんな娘と名古屋へ出かけた。
目的の一つは、予約してあった写真スタジオで「就活用フォト」を撮るためである。
もっとも、俺に撮影スタジオの中まで同行する気はない。娘が撮影している間、僕は新しく栄にオープンした「HAERA」をのぞいたり、大好きなデパ地下をぶらぶらしたり、コーヒーを飲んだりするのを楽しんでいた。
約2時間半後、撮影を終えた娘と合流すると、彼女は開口一番こう言った。
娘「いやー、あそこ本当に良かった! 撮影代ありがとう! はい、これお釣りね。メイクさんも上手だったし、カメラマンさんもすごく良かった。人気のお店みたいで、次から次へとお客さんが来てたよ。友達同士で来てる子もいたしね。」
俺「へえ、そんなに良かったんだ。」
娘「それでね、すっごい男子学生がいたんだよ。」
俺「すっごい男子学生? イケメンなの?」
娘「違う違う(笑)。お母さんと二人で来てたの。しかもね、『第一志望は公務員か銀行なので、真面目な感じでお願いします』って注文してるのがお母さんなの。」
俺「本人じゃなくて?」
娘「うん。そのあともメイクの相談、撮影用のレンタルスーツ選び、撮影後の写真セレクトまで全部お母さん。『こっちの方が誠実そうに見えますか?』『この表情なら銀行向きですよね?』って、ずっとそんな感じなの。」
俺「怖いな!本人は?」
娘「一言も話さない(笑)。」
細かく聞いてみると、会話のキャッチボールは終始、母親とスタッフの間で行われていたらしい。
肝心の就活生本人は、その横で静かに立っていたという。
それは就活用の証明写真の撮影というより、七五三の前撮りに近い(笑)。
娘がぽつりと言った。
「あの子、一人で就活できるのかな……。」
同感である。
履歴書に貼られるのは本人の顔写真だ。だが、その場にいた誰もが感じていたのではないだろうか。この写真に写っていないのは、母親の顔だけだと。
企業が見たいのは、おそらく「自分で考え、自分で動ける人間かどうか」という部分だ。ところが現場では、本人が指示を待ち、母親が指示を出していた。
ここまでくると就職活動ではない。保護者参加型インターンシップである。
最近は入社式に親が出席したり、退職代行ならぬ「退職代行の相談を親がする」時代だとも聞く。
そのうち企業説明会の案内に、「保護者様のお席もご用意しております」という一文が加わる日も遠くないのかもしれない。
もっとも、その頃には面接官の質問も変わっているだろう。「志望動機を教えてください。」「はい、母から説明させていただきます。」……いや、それはもう就活じゃない(笑)。
とはいえ、こういう親は決して珍しくないのだろう。
子どもを心配する気持ちは分かる。
失敗させたくない気持ちも分かる。
でも、子どもは失敗することでしか身につかない力がある。
転ばないように支え続ければ、転び方を覚えない。
困らないように助け続ければ、困った時の乗り越え方を覚えない。
「自立してほしい」と願いながら、「自立する機会」を奪ってしまう。
教育とは、本当に難しい。
もちろん、子ども側にも言いたいことはある。
「一人で行くから、母さん来なくていいよ。俺、ガキじゃないし。」
20歳前後なら、そのくらい言ってほしいものである。
以前、ネットで見つけて思わず保存した言葉がある。
① 寝坊しないように親が起こす
→ 親が起こすから、寝坊する
② 将来困らないように親が助ける
→ 助けるから、将来困る
③ 子どもを自由にするために親が犠牲になる
→ 親が犠牲になるから、子どもが不自由になる
④ 努力させるために調子に乗らせない
→ 調子に乗るから、努力する
⑤ 問題を減らすために「ダメ」と注意する
→ 「ダメ」と注目するから、問題が増える
⑥ 協調性を育てるために好き嫌いを許さない
→ 好き嫌いを許すから、協調性が育つ
⑦ 子どもの幸せが親の幸せ
→ 親が幸せだと、子どもも幸せになる
読んだ時、「なるほどなぁ」と唸った。
子育ては、手をかけることよりも、手を離すタイミングの方が難しいのかもしれない。
本当は女の子ではなく、男の子が欲しかった俺。
もし息子がいたら、20歳になった時にはこんな関係になっていたかったな…と思う河島英五さんの名曲「野風増 」です。
このサイトにはPDF閲覧機能があります。ご使用のスマ―トフォン・タブレットでPDFが閲覧できない場合、「

Adobe Acrobat Reader」をダウンロードして閲覧してください。
copyright ©夢現塾 all rights reserved.(x)