先日の日曜日、僕は岡崎市民会館にいた。
そう、ここは夢現塾の「高校入試説明会」の会場だ。
今回は岡崎市のイベント「吹奏楽祭」を見に来た。
娘がお世話になっている吹奏楽部が、出演するからだ。
仕事のできる僕は、同時に来年の説明会の手続きをしてきたことは、言うまでもない。(笑)
僕が長野で生まれ育っている時から、愛知県は吹奏楽が盛んな県として認識していた。
だから、岡崎市のスクールバンドが一堂に会すると聞き、朝娘を送り出すとすぐに会場に向かった。
きっと市民会館は、わが子の演奏を一目見ようと保護者の方で溢れるに違いない!
入試説明会の時の記憶が横切る。
正面の駐車場が一杯になってしまい、一段下の立体駐車場へ移動して頂いたのだ。
「まずい、出遅れると入れなくなる!」と開場30分前を目指した。
信号で止まるたび、焦りが募る。
そして僕たち夫婦は到着した瞬間悟ったのだ。
一台も停まっていない駐車場に到着し、「めちゃくちゃ気合の入った保護者」となったことを。(笑)
プログラムは順調に進んでいき、塾生が一生懸命演奏している姿や、代表として学校紹介をしている場面を見ることもできて、久しぶりにホールで生演奏を聴く時間を満喫した。
午前のプログラムが終わりに近づいたころ、空気が変わり始める。
座席の隙間が無くなり、通路にも立ち見の人々が溢れていく。
そう、午前最後の団体は全国大会常連「光ヶ丘女子高」なのだ。
なかなか機会がなく、演奏を聴くことが今までできなかった。
曲は有名な海賊を主人公にした映画のメインテーマ。
いわゆる「きれい」とか「揃っている」というレベルではなく、その音楽に包まれると、目の前に霧の中を進んでいく海賊船が現れるのだ。
クライマックスに向かって音が厚く重なっていく。
曲が終わった瞬間、ホールは割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
僕も鳥肌が立つような演奏を聞いたのは久しぶりだった。
たくさんの練習を重ねて、本番はほんの数分だけ。
その時間に今までのエネルギーを全て叩き込む、それが吹奏楽の醍醐味だ。
家の押し入れの片隅に眠っている楽器をもう一度手に取ってみようと思った。