僕は長野にいた。
一人暮らしをしている母親の顔を見に帰省していた時だった。
年始のあいさつを終え、二人でコタツにあたりながら池の水を抜く番組を見ていた。
たまたま付けた番組だったが、今回の舞台は岡崎城のお堀だという。
以前も一度行われ、歴代城主の家紋が入った瓦が発見され、盛り上がったそうだ。
ちなみに夢現塾の卒業生も参加したらしく、フレームインしたそうだ。
「あ、岡崎城だ!」と言いながら息子の住んでいる街が映る画面を母も楽しそうに眺めている最中だった。
僕のスマホがけたたましい音を立て始めた。
カタカタカタカタ・・・
ガタガタガタガタ・・・
グアングアン
震度5の揺れを僕は生まれて初めて経験した。
壁に手をついていないと立っていられない。そんな揺れだった。
母も急なことで全く動きが取れない。
母を気遣いながら、壁つたいに急いで外に通じるドアと窓を開けていく。
建物がゆがむと扉が開かなくなると聞いていたからだ。
長野の寒気が家の中に吹き込み、この中を避難しなくてはいけないことになるのかとゾッとした。
「次にもっと大きな揺れがくるかもしれない」というのが地震の恐ろしさだと身に染みた。
幸い実家はその揺れ以降、大きな地震は来ることがなく収まったが、能登半島地域では令和最大の震災となってしまった。
今も北陸の寒空の下、避難生活を送られている方々にはかける言葉も見つからない。
一日も早く元の生活に戻ることを祈ることしかできないのがもどかしい。
塾生のみんなも、いつ何時災害が起きるかわからない。
その時が来た時、全力で自分と大切な人の命を守れるよう、心の準備をしておこう。
このたび能登半島を震源とする大規模地震により犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
追伸
本日から大学入学共通テスト開始、卒業生の健闘を祈っています!!