「先生、今度英検の面接があるんですけど、、、」
声のトーンから判断すると、面接に不安を感じているのがひしひしと伝わってくる。
アドバイスが欲しいことを暗に訴えかけてくる生徒もいる。
そんな生徒には実際に面接官役をして練習や、アドバイスをする。
つい先日も面接の練習をした。
そして今週の月曜日のことだ。その結果の報告をくれた。
「準2級合格しました!」
マスクから溢れんばかりの笑顔をのぞかせていた。
この生徒は続けてこう言ってくれた。
「先生のおかげで、受かりました!」
「よかった!俺の的確なアドバイスのおかげだな!」
と口に出すのはナンセンスだ。そもそも僕はアドバイスをしただけで実際に受験をして合格したのは生徒本人だからだ。
代わりに今回も「よかったね!おめでとう!」の言葉と、その意味を込めたグッドポーズとスマイルを贈った。マスクが僕のほほえみを隠すのが悔しいが、生徒には伝わっていると信じたい。ただ、そもそもそれが彼らにとってうれしいのかどうか、その点においてはいささか疑問が残る。(笑)
いずれにしても、合格した事実が彼らにとっては最大級のご褒美なはずだ。
それに少しでも手助けできたのであれば教師冥利に尽きる。