私には7つ下の妹がいる。
彼女は顔面偏差値が高く、私よりずっと痩せている。そこは姉として痛いところではあるが(笑)
しかし、彼女の強みはそこではない。妹は絶対に諦めない強い心を持つ「
努力の人」なのだと声を最大にして紹介したいと思う。
中学の頃の妹は、正直勉強に関しては「かなり」出来が悪かった。
特に英語は壊滅状態であった。
中でも未だに忘れられないのは、
・「カノウ」をローマ字で「Kanu」と書いてきたこと
・疑問文の「Do」から始まる文章を全て、小文字はともかく「bo」と書いてきたこと
・その答えに対して「Yes, I bo.」と書いてきたこと
・日本語文の「あなたはアメリカ出身ですか?」を英語に直させると「Are you from Canada?」と出身地が変わってしまうこと
正直に言うと、中学の間は「努力って何?」というほど勉強をしていなかったのを覚えている。進路選びにもかなり苦戦したことも覚えている。
そんな妹が豹変したのは、高校に入ってからだった。定期テストの個票には目がとびだしそうになった。
学年で「5番」。たまたまではないようなのだ。「あの妹」が常にトップ層に君臨していたのだから。そんなはずはない…と何度疑ったことか分からない。
そして高校卒業後は、看護学校に進学。しかし、そこは戦場の中でも激戦地だったようだ。3年間、私はいつも妹の近くで、彼女の努力ぶりを見ていた。平日は膨大な量のレポートや論文と戦い、土日も遊びに行く時間もない。アルバイトなんて言うまでもない。看護実習の日はいつもいつも泣いて帰ってくる。泣き疲れた後は、朝の6時までまたレポートと国家試験の勉強。そして朝7時に起床。毎晩毎晩早朝までずっと部屋の電気が消えないのだ。睡眠時間が30分の日もあったほど。信じがたい話だが、妹は3年間この現実と、まさに「一生懸命」に向き合っていた。
私たちお気に入りの妹とのコミュニケーションの場所であるお風呂場で、何度妹の弱音を吐く姿と零れ落ちる涙を見たか分からない。このまま頑張り続けたら妹が壊れていくのではないかと何度思ったか分からない。中学や高校の同級生が大学生活を楽しんでいる中、大袈裟ではなく、本当に遊ぶ暇すらない状況の中で精神的にも身体的にもどれだけ辛かったことだろう。一緒に頑張ってきた仲間ですら何人も減っていく中でも、妹が絶対に言わなかった言葉は、「辞めたい」であった。
そしてそんな妹が、つい1週間前に無事卒業式を迎えた。
綺麗な袴姿で「賞状」を掲げて彼女は家に帰ってきた。
「私ね、2番だったよ!1番にはなれなかったけど、首席とほとんど差がない成績で卒業したよ!」と涙を浮かべながら報告してくれた。かわいい妹は、間違いなく「
かっこいい大人」へと成長していた。
「
結果はついてくるんだね」
そう妹が口を開いた。中途半端な人の口からは絶対に出てこない言葉だろう。
卒業式では、妹の大好きな「365日の紙飛行機」を後輩が歌ってくれたそうだ。
人生は紙飛行機
願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り
ただ進むだけ
その距離を競うより
どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番 大切なんだ
さあ 心のままに
365日
今まさに入試と闘っている夢現塾生、全ての受験生。そして、新たなスタートラインを切る全ての人へ。
ただまっすぐに、心のままに進め!