この前、車で信号待ちをしていた時、ある一団に出会った。
おそろいのユニホームに真っ白なヘルメット。いかにも試合会場へ向かう部活動の中学生という感じだ。よくある光景だなと何気なく見ていたのだが、いつもとは少し違う雰囲気だ。炎天下の中、30人ほどの自転車の一列が、一糸乱れずと言うとやや大げさかもしれないが、整然と通り過ぎていった。
すがすがしい風が通り過ぎたかのような気持ちになった。
ここは交通量が多くてやや狭い道路。近くに住宅地もあり歩行者も多い。スマホを片手に自転車を操る高校生。せまい道を横に広がって歩く親子。その真横をかなりのスピードで走り去る車。その車の隙をついて前に躍り出るバイクなどなど。そんな時にはカオス(無秩序)状態になるような場所で、「周りに迷惑をかけない」という当たり前の交通マナーを彼らは僕に見せつけてくれた。
この部員たちの様子から想像が膨らんでいった。技術面だけでなく、礼儀礼節やマナーなど生活面まで行き届いた細やかな指導をする素晴らしい顧問がいるのだろう。間違いなく高い指導力を持っているはずだ。そしてそれに応える素晴らしい部員たち。苦楽を共にし、厚く、そして熱い信頼関係で結ばれた彼らが今、最後の大会が開かれる会場へ向かっているのだと・・・。
余りにも印象が良すぎたためなのか、どこの中学校の何の部活かも分からないその集団が過ぎ去った後も、僕の『勝手な』想像は続いていった。勝利の喜びを噛みしめながら、彼らは帰りもこの道を整然と通り抜けるだろう。そしてその中にはもちろん夢現塾生の姿が・・・。