先々週のことだ。幸田校の電子レンジ上に「妙なもの」が置いてあった。大きな丼とスプーンと巨大シリアルである。
誰のものだ?と思いながら冷蔵庫を開けると、次は、大きな豆乳とところてんまで出てきた。学習塾の冷蔵庫の中身と言えば、教師たちのドリンク類や、生徒・保護者の方からいただくお土産類と言った感じだと思うが、今日は妙に生活感のあるものが置いてあった。
翌日、緑丘校に行くと、冷蔵庫近くにまたまた全く同じセットが置いてある。冷蔵庫を確認すると、大量の修学旅行お土産の隙間に、大きな豆乳はもちろんのこと、パックの豆腐まで入っている。
間違いない!この主は、タッキーである。もちろん「タッキー&翼」のタッキ―ではない。夢現塾のタッキーこと、ヒロタッキーである。
その廣瀧先生が、大きな決意をしたようだ。当然ながら、「己に打ち克つ」ダイエットだろう。
彼は独身時代、「弁当男子」だった。大きなタッパーに、3人前のご飯と大量の焼肉が入っている。その男らしい弁当に、僕らは敬意を込めて「廣瀧弁当」と呼んでいた。さらに、見事な食べっぷりに僕らは惚れ惚れしていた。
結婚後は「愛妻弁当」になった。彼の健康を考え、色とりどりの、バランス良さそうな「スペシャル弁当」である。しかし、今まで見たことのないようなサイズダウンの弁当に、僕らは驚いた。いや、一般的には十分に普通サイズの弁当であるが、「あの量で足りるのだろうか?」という疑問を持った。しかし、そんな心配は必要がなかった。彼は当然のように追加購入していたのだ。大きなカップ麺におにぎり2つが基本である。「いやー、ちょっと足りないんでー」と笑っていたが、彼の「ちょっと」とは、この量であった。
僕らが仕事後に立ち寄るラーメン屋がある。季節ごとの様々なラーメンも選択肢にはあるのだが、彼の眼には全く入らないようだ。一貫して彼が頼むのは「まんぷくセット(ラーメン+炒飯+唐揚げ+餃子)」という莫大な量のセットである。その他、どこの飲食店に行こうとも、「まんぷく」「特盛」「巨大」などのキーワード以外は眼中にないタッキ―だった。
そんなタッキーが…!!
彼が就活学生だった時からの付き合いであるが、あれから19年。彼ももう立派な中年である。どうやら健康に気を遣うようになったようだ。感慨深いものを感じた。
翌日、彼とゴルフ場にいた。僕は切り出した。
目:ダイエット中なの?
タ:やばいんです。人生最重量なんです。シリアルを丼でいっぱい食べて、自分の食欲をごまかすようにしています。
目:豆腐やところてんは?
タ:見つかりましたかー(笑)さらにごまかすためです。
目:へー
ハーフラウンドが終わってレストランで昼食となった。
店:ご注文は?
目:ハンバーグセットとコーラ、お願いしまーす。
タ:カツカレーとコーラ、お願いしまーす。
目:え?
僕は耳を疑った。
タ:いや、昼は食べても大丈夫なんですよ~。夜は例のものなので。
まさかのカツカレー!!単なるカレーではなく、油たっぷりのカツののったカツカレーである。
でも、彼が大丈夫と言うならばきっと大丈夫なのだろう(笑)
ただ、照れながら弁明している人間らしいタッキーが僕は大好きだ(笑)
大好物を目の前のメニュー表に載せられて、素通りできない人間臭さ。頑張れ!タッキー&ダイエット!
俺も少しは頑張るわー(笑)